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屋根に用いられる粘土瓦とはどんなもの?

公開日:2022.12.15 更新日:2024.4.5
屋根に用いられる粘土瓦とはどんなもの?

粘土瓦とは、粘土を使った焼きものの瓦で、日本瓦として多く用いられています。粘土瓦とは、岩石が風化してできた粘性のある土、粘土を瓦の形状に圧縮成形して乾燥後に1,000~1,250度程度の高温度で焼成して得られる建築資材です。瓦は居住者から見えにくいところにあることから、ふだん、身近に手にとって見る機会が少なく、一般消費者側にとってなじみが薄いのが現状ですが、私たちが住んでいる住宅の屋根に乗っている瓦は、住宅を風雨、日光、太陽熱から守るといった重要な役割を果たしています。

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1. 粘土瓦の特徴を紹介します

粘土瓦は他の屋根材に比べて屋根の重量が重くなり、耐震性能を考慮する必要がある。

粘土瓦の屋根の写真

瓦は天然素材である自然の粘土を原料とした大型焼成品です。粘土は採取場所により、その成分・性質は微妙に異なり、また同一場所での採取でも全く均一ではないのが特徴です。

このため瓦には、自然素材特有の現象が多く見られることがありますが、瓦本来の品質、性能に何ら問題はありません。粘土成分の違いや、気圧・気象条件による焼成窯内雰囲気の変化により、微妙な色ムラが発生している場合もあります。

また、焼き物特有の若干のネジレや寸法のバラツキがある場合があります。それは、瓦は重ね合わせて施工していきますので、葺き上げ後に瓦と瓦の間に隙間ができるためです。

施工後、ホコリの付着などによる色合いの変化が発生する場合があり、住宅の立地条件により瓦表面にコケなどが付着することもありますが、屋根材としての品質・性能及び耐久性を損なうものではありません。

陶器瓦は貫入と呼ばれる表面亀裂が発生する場合があります。これは陶器製品特有の現象で生地を焼いて焼結させる場合、粘土と釉薬の収縮率の違いにより釉薬表面に細かい亀裂が発生します。但しこれは製品生地までの亀裂ではなく、製品の漏水、強度などの品質には問題ありません。

2. 粘土瓦のメリットとは?

粘土瓦の最大のメリットは、ほとんどメンテナンスが必要ないという点です。

粘土瓦の屋根の住宅の写真

基本的にはご家庭で使われている陶器製品と同じです。粘土を瓦の形に成型して高温で焼いたもので、古くから使われている屋根材です。古いお寺の瓦が1,000年以上経っても現存していることからわかる様に、屋根材の中では最も長持ちします。

主な種類としては粘土そのものの色の素焼き瓦、炭の様な色のいぶし瓦、うわ薬で着色した陶器瓦があります。塗装製品ではないので再塗装の必要がなく、メンテナンスコストが安いのが最大のメリットです。

また、遮音性や断熱性が高く、家の寿命を縮める結露が起こりにくいメリットもあります。さらに、既存の瓦を一度全部撤去して、再利用することも可能です。破損しても部分差し替えが可能なので、1枚単位で交換することができます。

他の屋根材はメンテナンス費用がかかるので、新築から35年間の経済性で考えると瓦屋根がもっとも安価となります。また、和風住宅だけでなく、洋風住宅にも合うデザインが増えてきており、甍の波形の商品からフラットな商品まで、多くのデザインがあります。

3. 粘土瓦のデメリットとは?

粘土瓦のデメリットは、重さです。そのため地震の影響を受けやすいです。

粘土瓦の屋根の住宅の写真

粘土瓦のデメリットは、重さです。日本は世界的に見ても地震が多い国のため、家が揺れればその影響を受けやすいです。

例えば、大きな地震が発生した場合、瓦がずれたり落下したりしてしまう可能性があります。もし、屋根の下に人がいた場合、下敷きになってしまいます。

また、屋根の重みに耐えきれずに倒壊してしまうことも考えられます。しかし、現在では地震に強い粘土瓦が開発されています。そのため、屋根に粘土瓦を使用したいのであれば、これを使用すると良いでしょう。

また、屋根材の中では価格が高いのがデメリットです。施工には専門的な技術が必要で、職人不足がさらにコストアップの要因になっています。もし、屋根材に粘土瓦を採用する場合、ここで紹介したメリットとデメリットの両方を考慮した上で検討するようにしましょう。

その他に、粘土瓦はさまざまな色や形があるため、和風・洋風問わずに使用できますが、屋根瓦は存在感があるため、一般的なものよりも見栄えのある外観になります。ただし、見栄えが良いという理由だけで屋根材を選んでしまうと、メンテナンスにお金がかかって家計を圧迫してしまう可能性があります。

4. 粘土瓦の料金はいくら?

長く住む住宅なのでメンテナンスのことも考えれば、粘土瓦は安いと言えます。

費用相場のイメージ写真

屋根材の中では、価格が高い方で、施工には専門的な技術を持った瓦屋根施工者が必要です。そのため、全体的に初めにかかるコストが高くなります。ただし他の屋根材は7~15年後には塗り替えが必要です。粘土瓦は高耐久で塗り替えメンテナンス不要なので、10年、20年、30年後と塗り替えのコストも含めて考えれば、トータルでは粘土瓦が断然に安くなります。

新築時はいろいろ費用がかかり、少しでも価格を抑えたいと考えがちですが、長く住む住宅ですからメンテナンスのことも考えれば、粘土瓦は安いと言えます。

粘土瓦普及委員会によれば、仮に屋根面積が100㎡の場合、化粧スレートと比べると、建設時の費用も含めて20年間でおよそ110万円の節約になるとのことです。価格は8,000円~12,000円/㎡程になります。

瓦1枚には、約3kgもの粘土が使用されています。そこには燃える材料は一切含まれず、建築基準法でも不燃材料とされています。火事の飛び火から住まいを守ることができ、熱による膨張もありません。また寒さに対しても強く、環境の影響をほとんど受けないことが分かりました。

5. 粘土瓦についての情報まとめ

ここまでご紹介した粘土瓦に関する情報をまとめてご紹介します。

粘土瓦の屋根の写真

粘土瓦は粘土を使って1000℃~1300℃もの高温で焼き固めたものです。粘土瓦は製法によって大きく3つに分けることができます。

陶器のように釉薬を塗って焼いたものは釉薬瓦。何も塗らずに焼いたものを素焼き。素焼き後にいぶして表面に銀色の炭素被膜をつけたものをいぶしといいます。

他の屋根材に比べると価格は高い方ですが、メリットはたくさんありメンテナンス費用がかなり安いので長い目でみると、お得になります。

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