犬の葬式で仕事を休むことは可能?休暇を取る時の注意点を解説
公開日:2025.4.9
大切な家族である愛犬が亡くなったとき、「犬の葬式で仕事を休むのは許されるのか」と悩む方は少なくありません。
職場にどう伝えるべきか迷ってしまい、無理をして出勤してしまう方もいます。
この記事では、犬の葬式のために仕事を休む際に考慮したいポイントや、上司や同僚への適切な伝え方について詳しく解説します。
愛犬との最後の時間を大切にするために、後悔のない判断ができるようサポートします。
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1.犬の葬式で仕事を休むことは可能?
犬の葬式で忌引きは使えない
ペットとして大切に育ててきた愛犬が亡くなったとき、「犬の葬式で仕事を休むことはできるのか」と悩む方は多いでしょう。
特に、平日と重なった場合に忌引き休暇が使えるのかどうか、気になるところです。
結論から言うと、犬の葬式で忌引きを使うことは、一般的にはできません。
たしかに、ペットは「家族の一員」と考える人が多く、子どもや兄弟のように思っている方も少なくありません。
しかし、日本の労働慣習においては、ペットは法的に“家族”として扱われず、忌引き休暇の対象にはならないのが現状です。
そもそも忌引き休暇の対象は三親等まで
一般的な就業規則では、忌引き休暇の対象は三親等以内の親族とされています。
▼三親等に含まれる人の例
・父母、配偶者
・祖父母、曾祖父母
・兄弟姉妹
・子ども、孫、ひ孫
・甥・姪、おじ・おば
つまり、血縁や婚姻関係のない犬は忌引きの対象外となります。
大切な愛犬が亡くなった場合は葬式の日程を会社の休みにあわせるか、会社を優先して葬式はほかの家族に任せるなどを選択する必要があります。
ただし、近年では、「ペットも大切な家族」という価値観が広まりつつあります。実際に、犬の葬式で忌引き休暇を取得できる会社も一部ではありますが登場しています。
▼導入企業の例
・アイペット損害保険株式会社
・ユニ・チャーム株式会社 など
こうした企業では、ペットとの別れに配慮した独自の休暇制度を設けており、今後はより多くの企業で広がっていく可能性もあります。
2.犬の葬式で仕事を休む方法
有給もしくは欠勤で休む
近年では一人暮らしで犬を飼う人も増えており、そうした場合、葬儀の手配や執り行いは飼い主本人が担うしかありません。
休日が近ければ日程をずらすことも可能ですが、数日先まで休めない状況であれば、有給休暇の取得を検討するのが現実的です。
犬の葬式に有給休暇は使える?
有給休暇は労働者に認められた権利であり、理由を問わず取得が可能です。
そのため、忌引きが使えないペットの葬儀でも、有給休暇なら正当な休暇として取得できます。
ただし、以下の点には注意が必要です。
▼有給休暇取得に関する注意点
・有給休暇には日数に上限があるため、事前に使い切っていた場合は取得できません。
・有給は原則、入社から6か月経過しないと付与されません。そのため、新入社員や転職直後の人は使えないケースもあります。
・会社によっては申請期限があるため、「◯日前までに申請」などのルールに注意が必要です。突然の出来事で有給申請が間に合わない場合、欠勤扱いになる可能性があります。
一部の職場では、事後申請で「急病」として有給扱いに変更できることもありますが、これはルールや社風によって異なります。
たとえば、「急な体調不良」と伝えて休み、後日その理由で有給申請を通すというケースもあります。
ただし、嘘をつくことに抵抗がある方や、社内での信頼関係を大切にしたい方は慎重に判断すべきでしょう。
しかし愛犬との別れは精神的にも大きな負担となります。感情の整理がつかないことで仕事に集中できない・体調がすぐれないといった状態になることも当然です。
そのため、無理をせず「気持ちの整理が必要なため休みたい」と相談するのも一つの方法です。周囲への配慮や誠実な姿勢があれば、大きな問題に発展することは少ないでしょう。
「犬の葬式で仕事を休むこと」は決してわがままではありません。ただし、職場の規定や関係性に配慮したうえで、有給休暇を上手に活用することが大切です。
場合によっては欠勤や相談のうえで柔軟な働き方を選ぶことも視野に入れ、愛犬との最後の時間を悔いのないものにしましょう。
3.ペットの死を理由に仕事を休む際に上司や同僚に送るメールの文例やマナー
メールの文章例を紹介
前述の通り、ペットの死で休むこと自体は非常識ではありません。最近では「ペット=家族」という考え方が広がり、ペットロスによる心身の不調を理解してくれる職場も増えています。
ただし、休暇制度としての「忌引き」が適用されることはほとんどないため、休む際は年次有給休暇や欠勤扱いになるのが一般的です。
そのため、メールでは忌引き」という言葉は避け、私用の一環として丁寧に伝えることが大切です。
上司に送るメールの文例(前日の夜に送る場合)
体調の変化や心の整理がつかず、翌日に休むことが事前に分かっている場合の文例です。早めに伝えることで、上司や同僚のスケジュール調整もスムーズになります。
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件名:私用による明日の休暇について
〇〇部長
お疲れ様です。
私事で恐縮ですが、長年飼っていたペットが本日亡くなり、
精神的に動揺しており、明日の出勤が難しい状況です。
業務にご迷惑をおかけし大変申し訳ありませんが、
明日はお休みをいただけますと幸いです。
明後日以降、体調が整い次第、通常通り勤務いたします。
急なご連絡となり申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
氏名
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上司に送るメールの文例(当日欠勤の場合)
上司には、簡潔かつ誠実に事情を伝えるのがポイントです。感情的な文面になりすぎず、仕事への影響にも配慮した内容にしましょう。
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件名:私用による本日の欠勤について
〇〇部長
おはようございます。
突然のご連絡となり申し訳ありません。
本日、長年飼っていたペットが急逝し、心身ともに動揺しているため、
誠に恐縮ですが、本日はお休みをいただきたくご連絡いたしました。
業務に支障が出てしまい申し訳ありませんが、明日以降、
改めて状況をご報告のうえ、対応に努めてまいります。
何卒よろしくお願いいたします。
氏名
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上司に送るメールの文例(複数日休む可能性がある場合)
ペットロスの影響で、1日で立ち直るのが難しいケースもあります。あらかじめ数日間の休暇を申し出る場合は、配慮と誠実さを伝えることが大切です。
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件名:私用による休暇取得のお願い
〇〇部長
お疲れ様です。
大変恐縮ではございますが、長年一緒に過ごしてきたペットが急逝し、
精神的に大きなショックを受けております。
誠に勝手ながら、明日より数日間お休みをいただきたくご連絡差し上げました。
復帰の目途が立ち次第、あらためてご連絡いたします。
業務に支障が出ないよう、必要に応じてメール・チャット等での対応も可能ですので、
その際はご遠慮なくご連絡ください。
ご迷惑をおかけし申し訳ありませんが、何卒ご理解のほどお願い申し上げます。
氏名
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同僚に送るメールの文例(業務引き継ぎあり)
担当業務がある場合は、同僚への連絡も必要になることがあります。引き継ぎの連絡や緊急時の対応方法を記載すると安心感を与えられます。
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件名:本日のお休みと業務の件について
〇〇さん
お疲れ様です。
私事で恐縮ですが、ペットが亡くなったため、本日お休みをいただくことになりました。
本日対応予定だった△△の件については、必要であればチャットまたは携帯にて連絡いただければ、可能な範囲で対応いたします。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
氏名
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気をつけたいマナーや配慮
・「忌引き」という表現は避ける(人間の家族に限るのが一般的)
・職場の雰囲気や関係性に合わせて表現を調整
・ペットの死について触れるかどうかは、自身の気持ちと職場の文化に応じて判断
・心身が本当に辛いときは、無理せず休む勇気も大切
ペットの死は、見た目にはわかりづらくても、大きな喪失体験です。無理に出勤して心が追いつかないまま仕事をするより、少しでも心を整える時間をとることで、その後のパフォーマンスにもつながります。
丁寧なメールと、最低限の配慮があれば、きっと職場も理解してくれるはずです。心身をいたわりながら、少しずつ日常に戻れるよう、自分に優しく過ごしていきましょう。
4.どうしても仕事が休めない時の対処法
24時間対応の火葬や訪問火葬を検討する
「新入社員で有給休暇が使えない」「仕事が忙しくて会社を休めない」このような事情で犬の葬式のために仕事を休むのが難しい場合は、24時間対応の火葬や訪問火葬を検討してみましょう。
24時間対応の火葬はその名の通り、深夜・早朝を問わず、いつでも火葬に応じてくれるサービスです。
仕事のあとに時間を確保できるため、休みが取れなくても愛犬とのお別れを行うことが可能になります。
また、訪問火葬は火葬設備を備えた車が自宅まで来てくれるため、駐車スペースがあれば自宅前で火葬ができます。
移動や時間の制約が少なく、気持ちに余裕を持って見送ることができるでしょう。
火葬の日程を調整したいときは?
24時間火葬や訪問火葬の利用が難しい場合は、火葬の日程をずらすという方法もあります。
犬の体の大きさや季節によって異なりますが、保冷剤やドライアイスを使えば、冬場なら自宅で3〜4日ほど安置することが可能です。
ただし、夏場は気温が高いため、1〜2日が限度となります。
自宅での安置に不安がある場合は、火葬業者が提供する安置施設を利用するのも一つの選択肢です。葬儀の日まで安置してもらえるため、仕事が休める日まで日程を調整しやすくなります。
どうしても火葬に立ち会えないときは納骨の機会を大切に
「仕事が休めず、火葬にも安置にも立ち会えなかった…」そんなときでも、納骨のタイミングだけでも自分の都合に合わせて行うことで、愛犬とのお別れの時間をしっかり確保することができます。
火葬は家族や業者に任せたとしても、納骨は自分の希望の日に設定することが可能です。たとえ短い時間でも、静かに手を合わせる時間が心の整理につながるはずです。
5.犬の葬式はペット葬儀社に相談を
複数社に見積もりを依頼しよう
愛犬が亡くなった際に葬儀を考えるなら、まずはペット葬儀社に相談するのが一般的です。
その際は、複数社に見積もりを依頼することが大切です。費用や対応、火葬の内容に差があるため、比較することで納得のいく選択ができます。
火葬費用は犬の体重と火葬方法で変わる
ペットの火葬費用は、体重と火葬の種類(個別/合同)によって決まります。
▼参考価格の一例
・超小型犬(5kg未満)
個別火葬:約17,000円/合同火葬:約14,000円
・超大型犬(40kg以上)
個別火葬:約54,000円〜/合同火葬:約51,000円〜
個別火葬の方が高額ですが、返骨が可能であることや、最後のお別れの時間をしっかり確保できるなどのメリットがあります。
ただし、これらはあくまで相場のため、事前に正確な費用を確認しましょう。
費用を抑えたいなら自治体への相談も
もし費用を抑えたいと考える場合は、自治体のペット火葬サービスを利用する方法もあります。
費用はおおよそ1,000〜10,000円程度で、民間業者よりも手頃です。
ただし、以下のような制限があります。
・火葬方法は選べない(基本的に合同火葬)
・返骨不可のケースが多い
・受付日や時間が限られるため、平日に仕事を休めない人には不向き
このように、費用面では魅力がある一方で、自由度や対応の柔軟さに制約がある点には注意しましょう。
後悔しないお別れのために比較・相談を
大切な愛犬とのお別れを悔いのないものにするためには、ペット葬儀社を比較し、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。
▼比較のポイント
・費用の明瞭さ
・火葬方法の種類(個別/合同)
・スタッフの対応の丁寧さ
・口コミや評判
費用面だけでなく、サービス内容や人柄も大切な判断材料です。
問い合わせ時の対応などもしっかり見極め、納得のいく最期の時間を過ごせる葬儀社を選びましょう。
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