1.宿根草とは?植えて良かったと感じられる理由
芽吹きが早く毎年花が咲き続けて管理が楽なため、庭づくり初心者にもおすすめ
宿根草(しゅっこんそう)とは、一度植えると何年も繰り返し花を咲かせる植物を指します。特定の品種名ではなく、このような性質を持つ植物全体の呼び方です。一方で、一度だけ花を咲かせて枯れる植物は一年草と呼ばれます。
宿根草は多年草の一種に含まれますが、両者には成長期以外の地上部の状態に違いがあります。多年草は花が終わっても茎や葉が残り、常緑の状態を保つのが一般的です。これに対して宿根草は、花が終わると地上部の茎や葉が枯れます。ただし根は生きており、次の季節になると再び芽を出します。
宿根草の特徴として挙げられるのは、生命力が強く丈夫である点です。耐暑性や耐寒性は品種によって異なりますが、植えた後は手入れの頻度が少なくても育ちやすい傾向があります。また、毎年花を楽しめるため、一年草に比べて植え替えの手間や費用を抑えやすい点も魅力といえます。
ただし、手入れが不要というわけではありません。花が咲き終わった後は花がらを摘み、枯れた部分は適宜切り戻す必要があります。放置しても育つ性質はありますが、適切な手入れを行わないと見た目が乱れたり、生育が偏ったりする原因になります。
長くきれいな状態を保つためには、最低限の管理を続けることが重要です。
2.植えて良かった宿根草の定番品種
ガウラ、アガパンサス、カンパニュラなど
初心者の庭づくりに取り入れやすい宿根草ですが、種類が多いため、どの品種を選べばよいか迷うこともあります。そこで、「植えて良かった」と感じやすい代表的な宿根草を紹介します。
ガウラ
ガウラはアカバナ科に属する宿根草で、蝶が舞っているような軽やかな花を咲かせるのが特徴です。赤や白、ピンクなど花色のバリエーションも豊富で、庭の雰囲気に合わせて選びやすい点も魅力といえます。
暑さや湿度の高い環境にも強く、夏場でも生育が安定しやすいため、初めて宿根草を育てる場合でも扱いやすい品種です。
このように耐暑性と丈夫さを兼ね備えているため、手入れに不慣れな場合でも育てやすい点が特徴です。
アガパンサス
アガパンサスはヒガンバナ科の宿根草で、夏に咲く鮮やかな青い花が印象的です。白い花を咲かせる品種もあり、涼しげな雰囲気を演出できる点から庭づくりに取り入れやすい植物といえます。
暑さに強く、環境への適応力も高いため、安定して育てやすい特徴があります。草丈は品種によって異なり、大きく育つものからコンパクトなものまで幅広く、設置場所に応じて選びやすい点も扱いやすさにつながります。
生育が安定しており、庭の条件に合わせてサイズを選べるため取り入れやすい宿根草です。
カンパニュラ
カンパニュラはキキョウ科の宿根草で、釣鐘のような形をした花を咲かせます。日本では風鈴草や釣鐘草とも呼ばれ、やわらかな雰囲気を演出できる点が特徴です。一般的には夏前後に開花しますが、高温多湿の環境は苦手な傾向があります。
一方で寒さには比較的強く、夏の管理に気を配れば長く楽しめる植物です。暑さ対策を行えば安定して育てやすく、季節感のある庭づくりに取り入れやすい品種です。
3.小さな庭でも楽しめる、コンパクトな宿根草
セダム モコランド、モナルダ フォーグ、ルドベキア アーバンサファリなど
日本の住環境では、ガーデニングを楽しむスペースが限られているケースも少なくありません。そこで、狭い庭や小さなスペースでも取り入れやすい、コンパクトな宿根草を紹介します。
セダム モコランド
セダム モコランドはベンケイソウ科に属する多肉植物で、草丈は約30センチメートル、株幅は50センチメートルほどのドーム状に広がるのが特徴です。開花時だけでなく、蕾の状態や花が終わったあとの姿にも観賞価値があり、季節ごとの変化を楽しめます。
耐暑性と耐寒性を兼ね備えており、環境の変化にも対応しやすい性質があります。
草丈や株幅がコンパクトにまとまるため、限られたスペースでも取り入れやすい点が魅力です。
モナルダ フォーグ
モナルダ フォーグはシソ科の宿根草で、葉や茎から柑橘系の香りが漂う特徴があります。ベルガモットの名でも知られ、日本ではタイマツバナとして古くから親しまれてきた植物です。
草丈は30センチメートル前後、株幅は60センチメートルほどに収まりやすく、庭のスペースに合わせて配置しやすいサイズ感です。
大きく広がりすぎにくいため、小さな庭でも扱いやすい宿根草です。
ルドベキア アーバンサファリ
ルドベキア アーバンサファリはキク科の宿根草で、枝分かれしながら複数の花を咲かせ続ける特徴があります。
草丈は約40センチメートル、株幅は60センチメートルほどとコンパクトにまとまりやすく、配置場所を選びにくい点も魅力です。
開花期間が長く、次々に花が咲くため、長期間にわたって庭に彩りを加えられます。
コンパクトなサイズでも開花量が多く、限られたスペースでも見応えを得やすい宿根草です。
ヒューケラ ドルチェ
ヒューケラ ドルチェはユキノシタ科のカラーリーフで、葉色が季節ごとに変化する点が特徴です。花だけでなく葉の色合いでも庭に変化をつけられるため、一年を通して景観を楽しめます。
草丈・株幅ともに30センチメートル前後とコンパクトで、スペースを取りすぎないサイズ感です。
省スペースでも配置しやすく、葉の色変化によって長く楽しめる宿根草です。
4.宿根草の楽しみ方のコツ
宿根草は植えっぱなしでも庭が整うためナチュラルガーデンにおすすめ
宿根草の魅力は、生命力の強さと長く楽しめる点にあります。一度植えると毎年花を咲かせやすく、過度な手入れをしなくても庭の景観を維持しやすい特徴があります。そのため、自然な雰囲気を活かす庭づくりとの相性が良い植物といえます。
ナチュラルガーデンとは、整然と植え込むのではなく、植物の成長や広がり方を活かして自然な景観をつくるスタイルです。季節ごとの変化を感じながら庭を楽しめる点が特徴で、宿根草のように毎年繰り返し育つ植物は、この雰囲気に適しています。「植えっぱなしでも育ちやすい」という性質が、ナチュラルな印象を作りやすい理由の一つです。
また、宿根草は広い庭向けという印象を持たれがちですが、近年はコンパクトに育つ品種も増えており、限られたスペースでも取り入れやすくなっています。草丈の異なる品種を組み合わせて高低差をつけたり、花色を変えて変化を持たせたりすることで、小さな庭でも奥行きのある景観を作れます。一年草を組み合わせて季節ごとの彩りを加えることも可能です。
ある程度のお手入れは必要
宿根草は植えっぱなしでも育つといわれますが、まったく手入れが不要というわけではありません。根付くまでは定期的な水やりが必要であり、猛暑日など乾燥が続く場合には成長後も状況に応じた対応が求められます。
最低限の管理を行わないと生育が乱れ、見た目や開花状態に影響が出る可能性があります。
また、ナチュラルガーデンであっても、咲き終わった花を取り除いたり、枯れた葉を整理したりすることで、美しい状態を保ちやすくなります。
5.宿根草を活かした庭づくりに悩んだら、ガーデニングのプロに相談してみよう
環境条件に合った植栽計画で失敗を防ぐ
植えっぱなしでも成長しやすい宿根草は、植物の扱いに慣れていない場合でも育てやすく、庭づくりではナチュラルガーデンとの相性が良いといえます。そのため、初めて庭づくりに取り組む際の選択肢として取り入れやすい植物です。
一方で、宿根草を取り入れた庭づくりを続けるなかで、思い通りに育たない、増えすぎるなどの悩みが出てくることもあります。試行錯誤しながら解決するのも一つの方法ですが、対応に迷う場合は専門業者への相談も検討するとよいでしょう。
状況に合った対処が難しい場合は、プロに相談することで適切な修正や予防策を把握できます。環境条件に合わせた植栽計画を立ててもらえば、同じ失敗を繰り返すリスクも抑えやすくなります。
プロへ依頼するときは相見積もりを行う
庭づくりを専門業者へ依頼する場合は、作業内容に応じて依頼先を選ぶ必要があります。植栽や庭石の配置であれば造園業者、フェンスやウッドデッキなどの設置であれば外構業者、デザイン性を重視する場合はデザイン事務所など、それぞれ得意分野が異なります。
依頼先を検討する際は、複数の業者から見積もりを取り、費用や作業内容の内訳を比較することが重要です。相見積もりを行うことで費用の目安を把握でき、内容と価格のバランスを見ながら依頼先を判断しやすくなります。
また、対応の丁寧さや説明の分かりやすさも比較できるため、継続的に任せられるかどうかの判断にもつながります。