電気温水器でお湯が出ないのはなぜ?原因と対処法を解説
公開日:2025.2.26
電気温水器を使っているご家庭で突然お湯が出なくなると、とても焦ってしまいますよね。お湯が出ない原因が電気温水器にある場合は、どのように対処すればよいのでしょうか。
この記事では、電気温水器からお湯が出ないときの原因と、すぐにできる対処法や予防策について解説します。
電気温水器を使っているご家庭で突然お湯が出なくなると、とても焦ってしまいますよね。お湯が出ない原因が電気温水器にある場合は、どのように対処すればよいのでしょうか。
この記事では、電気温水器からお湯が出ないときの原因と、すぐにできる対処法や予防策について解説します。
電気温水器は、主に次のような部品からできています。
・タンク(貯水槽):温水を溜めておく
・電熱ヒーター:水を温める
・サーモスタット(温度調節器):水温を調整する
・安全弁:加熱や加圧を防ぐ
・配管:冷水や温水を通すパイプやホース
電気温水器のお湯が出ない場合、「湯切れ」や「水栓の止水栓が閉まっている」、「フィルターが詰まっている」など、すぐに解決できることが原因であることがほとんどです。
しかし、これらが原因ではない場合、部品の故障や不具合など大きく分けて次の4つの原因が考えられます。
①水漏れによる不具合
②サーモスタットの故障
③ヒーターの故障
⑤電気供給の不具合
電気温水器のお湯が出ないとき、まずは内部で水漏れしていないか確認しましょう。経年劣化によるタンク内の腐食や、パッキンなどの劣化、配管の亀裂や詰まりなどにより水漏れする可能性があります。
経年劣化は避けられないので、定期的な点検や交換が大切です。
水漏れが原因の場合は、水道料金が急激に増えたり、電気温水器のまわりが水浸しになったりするなどの異変があるので、注意してみてください。
次に、サーモスタットやヒーターが故障している可能性もあります。お湯の温度を一定に保つためのサーモスタットや、水を温めるヒーターが故障していると、お湯の温度が設定温度まで上がらず、お湯が出なくなってしまいます。
また、電気供給がうまくできていない可能性も考えられます。停電したり、ブレーカーが作動したりしているケースです。ブレーカーの状況や他の箇所では電気が使えているかなどを確認してみてください。
電気温水器からお湯が出ないときは、不具合として考えられる箇所を順番に確認し、あせらず原因を見つけましょう。基本的には次のステップで、原因を探します。
1.冷水は出るか
2.給水栓が開いているか
3.給水管やフィルターは詰まっていないか
4.冬の場合、配管は凍結していないか
5.タンクの残湯量はあるか
6.他の水栓ではお湯が出るか
7.電気系統や本体に異常はないか
まずは、給水がきちんとできているか確認します。家の中で、お湯だけではなく冷水も出ない場合は、水道管など配管のトラブルが起きている可能性があります。
冷水が問題なく出ている場合は、電気温水器への給水栓が閉まっているかもしれません。点検などの際に閉めたまま再度開栓していなかったなどの理由も考えられるため、給水栓を確認してください。
また、混合水栓や給水管にフィルターが付いている場合は、詰まっていないか確認してみましょう。
そして、冬の寒い時期の場合は、配管が凍結していないかも確認してください。気温が上がれば徐々に溶けて水が流れるようになることが多いですが、凍結による膨張で配管に亀裂が入っていないか、配管から漏水していないかも確認が必要です。
給水に問題がなさそうであれば、キッチンや浴室のリモコンなどでタンクの残湯量を確認しましょう。そもそも残湯量がない場合はお湯が出ませんが、漏水している可能性もあるため注意が必要です。
残湯量が十分あるのにお湯が出ない場合は、他の水栓からお湯が出るかも試してみましょう。一部の水栓だけお湯が出ないときは、その箇所のパイプや水栓に原因がある可能性があります。
ここまで確認しても問題が見つからない場合は、電気系統や電気温水器本体を確認していきます。
まずは、電源プラグがコンセントから抜けていないか、しっかりと差し込まれているかを確認してください。
電源プラグに問題がなければ、分電盤のブレーカーが落ちていないかを確認し、もしブレーカーが落ちている場合は上げ直します。
最後に、電源コードや配線に破損がないか見てみましょう。
上記を確認しても異常が見つからない場合は、電気温水器本体に問題があるかもしれません。電気温水器本体に異常を示す表示灯がついていないか、エラーコードが表示されていないか見てみてください。
エラーコードが出ているなら、取扱説明書を参照してどのようなエラーなのか調べます。まれに、空焚き防止なしても全装置が作動している可能性もあります。
また、電気温水器本体から異音がする場合、内部に異常があるかもしれません。このときは速やかに、専門事業者に点検や修理を依頼するのがおすすめです。
専門事業者に依頼する前に、自分でできる対処法で電気温水器が正常に作動するか試してみましょう。ただし、十分な知識がなく分解などをするのは危険なため、次の対処法を試しても改善しない場合は、専門事業者に依頼しましょう。
電気温水器の減圧弁にはフィルターが付いており、ゴミが詰まるとお湯が出にくくなることがあります。取扱説明書を確認しながら、止水栓を閉め、漏電ブレーカーを切ってから、フィルターを取り外し清掃しましょう。
混合水栓にもフィルターがあり、詰まりが生じている場合は、お湯が出にくくなることがあります。この場合は、混合水栓の止水栓を閉め、フィルターを取り外し、清掃します。
そして、電気温水器や混合水栓の止水栓が閉まっていると、当然ながらお湯が出ません。電気温水器と混合水栓、両方の止水栓を開きましょう。
また、キッチンと浴室など、複数の場所で同時に大量のお湯を使うと、電気温水器がお湯を供給しきれず、お湯が出にくくなることがあります。お風呂の湯はり中は、キッチンでの使用を控えるなど、お湯の使用量を調整してみてください。
上記の方法を試してもお湯が出ないときは、必ず専門事業者に依頼し、点検や修理を行いましょう。無理に自分で対処することで、電気温水器本体の故障につながってしまうリスクがあります。
電気温水器は、買い替えや修理になると高額な費用がかかります。日頃から清掃やメンテナンスを行い、電気温水器を長持ちさせましょう。
まずは、電気温水器の本体だけではなく、周辺の床面が濡れていないかを確認し、水漏れがないか点検します。特に集合住宅の場合は、電気温水器の水漏れにより、階下へ水漏れするリスクもあります。もし、水漏れを発見した場合は、すぐに水を拭き取り、専門事業者に連絡しましょう。
漏電遮断器が正常に機能しているかどうかも、定期的に確認が必要です。漏電遮断器は、漏電した場合に電気を遮断する安全装置です。漏電遮断器のテストボタンを押して、簡単に点検できます。
続いて、逃し弁が正常に動作するか、定期的に確認しましょう。逃し弁は、電気温水器内の圧力が過度に上昇した場合に、その圧力を逃がすための安全装置です。逃し弁レバーを上げ下げすることで、お湯が出たり止まったりする仕組みです。
故障すると、内部の圧力が上がりすぎて、危険な状態になる可能性があります。
最後に、電気温水器のタンクを3〜6ヶ月に1回の頻度で清掃しましょう。タンクが水垢やサビで汚れると、性能が低下したり故障の原因になったりします。定期的にタンク内の水を抜き清掃することで、電気温水器を長く使えます。
電気温水器の修理や交換には、電気工事の知識が必要です。誤った操作をすると感電や火災のリスクが高まります。そのため、電気温水器の修理は、専門事業者に依頼するのが確実です。
業者選びに迷ったときは、相見積もりを取って比較するのがおすすめです。相見積もりをすることで、電気温水器の修理や交換時の相場がつかめます。
また、かかる費用だけでなく、保証期間、作業内容、アフターサービスなど、各専門事業者のサービス内容も比較検討できます。
さらに、問い合わせや見積もり依頼時の対応は、各専門事業者の誠実さや相性を判断する材料になります。
相見積もりを依頼する際は、各専門事業者をしっかり比較できるように、同じ条件の見積もりを出してもらうことが大切です。業者Aは本体の交換、業者Bは部品交換のみなど条件が異なる場合は、比較しにくいので注意しましょう。