1.ヤスデとはどんな害虫?
ヤスデの特徴と、大量発生の原因
ヤスデは細長い胴体に短い多数の足を持つ節足動物です。
体長は20~80ミリほどの長さで、見た目はムカデに似ていますが、ムカデと違って動きは遅く、群れで移動する性質があります。
ヤスデは世界中で約1万種いるといわれていて、日本には300種近く生息しています。
落ち葉や腐葉土についた真菌類をエサにしていて、自然界においては腐った植物を分解する役割を担っている「益虫」として扱われます。
基本的に山や林に生息していますが、街なかの公園や住宅街でも、落ち葉の多く集まっているところならどこにでも住みつくことがあります。
ヤスデは夏の終わり頃に産卵し、梅雨頃に成虫になります。
ヤスデは水に弱く、水の中にいると溺死してしまいます。そのため、雨が降ると水のないところを探すために地上に姿を現します。
梅雨の時期にヤスデの大量発生を見かけるのはこのためです。
さらに、大雨の後に土の中から出てきた大量のヤスデは、壁や柱を伝って、わずかなすき間からでも部屋の中に侵入してくることもあります。
ヤスデには群れで行動するという習性があるので、1匹見つけたら近くに他にもいるということもよくあります。
また、庭や畑に建物や駐車場を作った後や、庭のリフォームをした後にヤスデが大量に発生して驚いたことがある人もいるかもしれません。
ヤスデはそれまで生息している場所の環境が変わると、一度に大量に発生する場合もあります。
2.ヤスデの被害とは?
ヤスデは害虫?駆除した方がいい?
前述の通り、自然界においてヤスデは害虫ではなく益虫と考えられています。
倒木や落ち葉をエサにして食べることで、植物を分解して土に返す働きをしているのです。落ち葉を食べた後に出すフンは、植物が育つためのよい肥料となります。
しかしながら、人間界では一般的に「不快害虫」とも呼ばれています。
見た目の気持ち悪さや大量発生して人間を驚かせるので、益虫なのにのような不名誉な呼び方をされているのです。
また、ヤスデには悪臭のする液を出す種類もいます。
ムカデのようにアゴに毒を持っていたり噛んだりはしませんが、体液には毒が含まれています。
ヤスデをつぶすなどして体液に触れると、ひりひりとした痛みを感じたり、水ぶくれになる恐れもあるので、素手で触らないようにしましょう。
■ヤスデは駆除した方がいい?
今述べたように、ヤスデは植物を食べ分解して土に返すという、生態系の中で大切な役割を持っています。
本来は益虫で、病原菌を運ぶこともないのであえて取り去る必要はありません。
しかし、大量に発生したヤスデを見かけたり、家の中まで侵入してきたりした場合は、何か対策を考えた方がいいでしょう。
ヤスデが家の中まで侵入できないようにする方法を検討してみるといいかもしれません。
3.ヤスデが家の中に入ってこないようにする対策方法
ヤスデの嫌う環境を作ろう!
ヤスデが家に侵入しないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
まずは、ヤスデが家のどこから入ってきたのか、侵入経路を予想してみましょう。
ヤスデは細いすき間に入り込む習性があります。そのため、玄関や窓にすき間がないか確認しましょう。
換気扇や排気口のわずかなすき間も要注意です。
次に、ヤスデの侵入経路と考えられるところに忌避剤を散布します。
忌避剤は一度まいただけでは、次第に効果は薄れてくるので、定期的にまく必要があります。
玄関や窓だけでなく、家の周りにぐるっと一周薬剤をまくとさらに効果的です。
また、ヤスデは普段土の中に生息していますが、梅雨の時期など雨が長時間降り続くと地上に出てくる習性があります。
そのため、水はけをよくすることで土の中から出てこないようにすることも有効な対策です。
庭も水はけをよくするために傾斜を付けるなどしておくといいでしょう。
4.ヤスデの駆除方法
駆除は業者に任せるのが安心
すでに家の中にヤスデが発生してしまっていて、駆除したい場合はどうすればいいでしょう。
手軽で確実にヤスデを駆除できるのは、殺虫剤を使う方法です。
殺虫剤は、様々な害虫に効く一般的な薬剤で十分に効果があります。
スプレータイプは直接吹きつけて駆除できますし、粉末や顆粒タイプは大量発生や侵入の予防に向いています。
ヤスデを駆除する様々な薬剤が市販されているので、早く駆除したい方は強力な薬剤の使用を検討してみてください。
薬剤の中でも冷却スプレーは瞬間的に冷却してヤスデを動けなくする効果があり、殺虫成分を含んでいないので、お子様やペットがいても使いやすいのが特徴です。
■駆除は業者に任せるのが安心
ヤスデは比較的害の少ない虫です。
しかし、不快害虫と呼ばれているように、見るのも嫌だという人もいるかと思います。
また、大量発生したら手に負えなくなってしまうかもしれません。
害虫を駆除する専門業者であれば、自分でするよりも効果的に駆除してもらえて、再発防止策も施してくれます。
ヤスデが大量発生したときは、専門業者へ依頼するのも選択の一つです。
番外編:ヤスデとムカデの見分け方
ヤスデとムカデの違いについて
ヤスデの成虫とムカデの幼虫は、大きさや形が似ていて一見見分けがつきにくいものです。
両者の見分け方ですが、ムカデの方がやや平べったい感じで、脚が長く触角を持っているのが特徴です。
一方のヤスデはムカデと比べて厚みがあり半筒状になっています。
脚はムカデが1つの節から1対の脚が出ているのに対して、ヤスデは2対4本出ていて短めです。
また、ムカデは比較的動作が俊敏で人を襲うこともあり、噛まれることもあります。
これに対して、ヤスデは動きが緩慢で、基本的に噛まれることはありません。
見た目が似ているので、よく間違えられたり混同されたりしますが、ヤスデとムカデは全く違う種類で、決してムカデの幼虫がヤスデなのではありません。