2階の部屋が暑い時の対策とは?暑くなる原因や対処方法を徹底解説
公開日:2024.7.3
夏になると2階の温度が高くなることに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。近年は室内で熱中症にかかるケースもあるため、室温が上がりすぎないような対策が必要です。
この記事では、2階の部屋が暑くなってしまう原因と、温度を下げるための対策を紹介します。
夏になると2階の温度が高くなることに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。近年は室内で熱中症にかかるケースもあるため、室温が上がりすぎないような対策が必要です。
この記事では、2階の部屋が暑くなってしまう原因と、温度を下げるための対策を紹介します。
2階の部屋が暑くなるのは、複数の要因によって引き起こされているケースが多いです。
屋根に直接当たる太陽光が原因で2階の部屋は特に暑くなります。屋根が熱を吸収し、その熱が室内に伝わるためです。
最上階は外部の熱を遮断するのが困難であり、猛暑になる夏季においては室温が高くなってしまいます。
また、暖かい空気は冷たい空気に比べて軽く、室内の暖かい空気が1階よりも高い位置にある2階へ上がっているのも原因の1つです。
吹き抜けの構造の室内では、この影響が大きくなりやすいでしょう。
さらに、ベランダがついている一戸建てにおいては、照り返しによる影響も受けています。
多くの一戸建て住宅に設置されているベランダは、洗濯物を干したり家庭菜園を楽しんだり、生活を豊かにする場所の1つです。照り返しとは光の反射を指しており、晴れている時の日差しがベランダで反射して室内を照らしています。
日光を受けた室内の温度が上がるのは自然の法則であり、この点も2階の室温が高くなる原因です。
そのほか、2階はそれぞれの部屋を自室や寝室として利用するケースが多く、個別の部屋のドアを閉じている時間が長くなるでしょう。したがって通気が悪く、暖められた空気が循環しないで滞留してしまいます。
これらの原因が重なり、2階は1階に比べて室温が高くなるのが一般的です。
2階の部屋を快適にするには、部屋にこもった暖かい空気を外部に逃すのが重要なポイントになります。
窓を開けて換気する際には、効果を高めるうえで対角線にある2箇所の窓を開けるのがおすすめです。空気の入口と出口を作ると、風通しが良くなるでしょう。
日陰側など室温が低いほうの窓を少しだけ開けて、逆側の窓を全開にすると、室内に涼しい風が入りやすくなります。
夏場は1日に2〜3回程度、個別の部屋のドアをすべて開けて換気しておくのが良いでしょう。
また、玄関を開けておくのもおすすめです。2階よりも低い位置にある玄関には室外の涼しい空気が入りやすく、玄関を通じて高い位置の2階に涼しい空気を取り入れられます。
なお、窓が1つしかないときには、部屋の中の熱い空気を循環させるようサーキュレーターや扇風機を用いるなど工夫してみましょう。
サーキュレーターや扇風機に室温を下げるはたらきはありませんが、空気の循環には大きな効果を発揮します。
大切なのは空気を外部に逃がす点であり、空気の通りを良くして暖かい空気を室外から放出できると過ごしやすくなるでしょう。
戸建ての場合は、屋根裏に溜まりがちな暑い空気を排出してくれる換気排熱ファンの取り付けの検討もおすすめします。
遮光カーテンを閉めておくだけでも日差しによる影響を最小限にとどめられ、室温の上昇を抑える効果が見込めます。
ただし、遮光カーテンは熱を抑制するのと同時に遮光の役割もあり、日中でも室内が暗くなってしまう点には注意が必要です。
なお、窓とカーテンの間には、太陽により暖められた空気が溜まってしまう可能性があります。
このため、窓に断熱性や遮熱性が高いフィルムを貼るとともに、窓の外部にグリーンカーテンやすだれの設置をおすすめします。
グリーンカーテンとは、窓やベランダの一部をツル状の植物で覆って日差しを遮断するものです。
アサガオなどの植物は大量の水を含んでおり、蒸発によって水蒸気が発生し、気化熱の原理のとおり温度が下がりやすくなります。
しかし、植物が育つまでに時間がかかる点がデメリットです。植物を育てるのが苦手な方や、早急に対処したい方にはフェイク用のグリーンカーテンが販売されているため、試してみると良いでしょう。
同じくすだれも夏の日差しをカットできるアイテムの1つです。さらにすだれには、視覚的に涼しさを演出する効果もあります。
グリーンカーテンやすだれは対策しやすい便利なものであり、リーズナブルな点で活用しやすく、積極的に取り入れてみると良いでしょう。
住宅における天井裏の気温は、灼熱の季節を迎えると60度を超えてしまいます。
天井裏の温度が上昇すると、その影響で2階の部屋も暑くなります。そのため、2階の部屋の暑さ対策としては、天井断熱と屋根断熱の双方のリフォームが効果的です。
既存の断熱材は、経年劣化により薄くなっている可能性があります。断熱材を強化すると気密性を高められ、外気の影響を受けにくくなります。したがって、冬になると室内の暖かい空気を外部に逃がさずに済む効果も生まれます。
屋根を遮熱塗料で塗り替えると、2階の部屋の暑さは大幅に解消されるでしょう。
また、換気排熱ファンの設置も2階の部屋の暑さ対策に高い効果が見込めます。換気排熱ファンは、屋根裏に溜まった熱い空気を外部に排出する装置です。
そのほか、床に近い場所にある冷たい空気と、天井付近の暖かい空気を循環させるうえでシーリングファンを設置する方法もあります。シーリングファンは天井に直接取り付ける装置で、エアコンと併用できると冷たい空気を部屋全体に循環できます。
設置には天井を補強するケースや梁に直接ジョイントする工法があり、施工業者との相談が必要です。南国のリゾートホテルのような涼しげな雰囲気を演出するなど、お洒落な部屋のインテリアにもなります。
窓ガラスを複層ガラスに変更するのもおすすめです。複層ガラスには断熱効果があり、ガラスの間に作られる空気層が外気温を伝わりにくくするとともに室内の結露防止にも役立ちます。
ただし、リフォームにあたっては、工事費が高額になる可能性がある点に注意しなければなりません。
断熱リフォームや換気排熱ファンの設置、複層窓ガラスへの交換は、2階の部屋の暑さ対策に大きな効果が期待できます。ただし、リフォームする際には工事費がかかります。
天井の断熱リフォームの相場は、1㎡あたり2,000〜8,000円程度です。住宅1棟あたりにすると16〜30万円ほどになるでしょう。
天井に梁や桁が多くて断熱材を敷き詰める空間を確保できないときには、スプレーで断熱材を吹き付ける工法になり費用が割高になる点に注意が必要です。
また、複層のガラス窓に交換するには1か所あたり1〜3万円程度がかかります。
アルミサッシから樹脂サッシへの交換は3〜10万円程度、内窓の取り付けは5〜12万円程度が相場です。
予算が限られているときには、実施する箇所の優先順位を施工業者と相談する必要があります。
費用を抑えるうえで、複数の業者に参考見積もりを提出してもらうと良いでしょう。
各社からの見積もり内容を比較する際には、価格が安い点だけで評価してはいけません。安い価格の提示を受け入れたあとに追加費用を請求される可能性があります。追加工事が行なわれないよう、施工内容を確かめてください。
なお、見積もり内容について丁寧でわかりやすく説明する会社は、信頼度が高まります。リフォームを行うときには、信頼できる会社を見極める点が大切なポイントです。