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【参列マナーやお布施の相場など】天台宗の葬儀についてわかりやすくご紹介!

公開日:2023.7.19 更新日:2024.4.12
【参列マナーやお布施の相場など】天台宗の葬儀についてわかりやすくご紹介!

天台宗の葬儀に参列する際に知っておきたい葬儀の特徴や流れ、作法などの情報や、天台宗の葬儀を営む際にかかる費用相場を分かりやすく紹介します!
この宗派の基になっているのは中国の天台宗。隋の時代に智顗(ちぎ)という僧によって確立されました。その約200年後の西暦805年に、最澄が唐から天台宗の教えを持ち帰り確立されたのが日本国内での天台宗です。総本山である比叡山延暦寺は世界的にも有名ですが、天台宗の葬儀については知らない方も多いかと思います。
そこで今回は、天台宗の葬儀に初めて参列する方でも戸惑わなくてもいいように葬儀の特徴や流れ、気をつけるべきマナーを解説します!また、天台宗の葬儀を営む際の費用相場もご紹介しますので、葬儀に参列する側の方も営む側の方もぜひ参考にしてみてください。

1. 天台宗の葬儀の特徴

天台宗の葬儀の特徴は、時間が長いことと特殊な数珠を使用することです

白い花が使われた仏花の写真

この宗派の葬儀の特徴として最初に紹介するのは、葬儀時間についてです。

天台宗の葬儀では如来を称える列讃(れっさん)や茶器をお供えする奠茶(てんちゃ)、40㎝くらいの錫杖を振りながら声明を唱える九条錫杖など、他宗派ではあまり見られない儀式が多数あります。

そのためどうしても葬儀の時間が長くなってしまいます。天台宗の葬儀に参列される際は、時間に余裕を持っておくことをおすすめします。

次に紹介する特徴は使用する数珠です。一般的に数珠といえば長さの違いこそあれ、丸い珠が使用されています。

しかし、天台宗の葬儀で使用する数珠の形は楕円です。参列者であれば一般の数珠を使用しても問題はありませんが、自宅の宗派が天台宗でしたら念のため事前に購入しておきましょう。

この宗派の葬儀の特徴として最後に紹介するのは、賑やかなこと。これは曹洞宗の葬儀とも共通しているのですが、式の最中に銅鑼や妙鉢、太鼓などを打ち鳴らすので、初めて参列された方は驚かれることと思います。きちんとした儀式ですから笑ったりしないように注意が必要です。

天台宗の葬儀の特徴をいくつか紹介してきましたが、宗派は違えど大切なことは故人を偲ぶ気持ちですので、声をかけられた時は積極的に参加して下さい。

2.天台宗の葬儀の流れ

天台宗の葬儀の流れについて初めての方でも分かるように解説します

葬式で使われる沢山の仏花の写真

一般的には亡くなった翌日行われるのが通夜式ですが、まずは亡くなった当日に故人の往生を願って阿弥陀経を読む、臨終誦経という儀式があります(現在では通夜式と一緒に行われているケースが多いです)。

通夜式当日の流れとしては、朝に法華経を読む法華三昧が行われ、直前の夕方には阿弥陀経が読まれます。

次に行われる儀式が剃髪式です。僧侶が辞親偈を唱えながら故人の頭に剃刀を当てます。昔は実際に髪の毛を剃り落としていたようですが、現在では剃る仕草だけです。

それが済むと、生前の罪を悔いて三宝に帰するために、懺悔文と授三帰三竟が唱えられます。そして戒名をいただくために授戒式が行われます。

最後に位牌に故人の魂を移せば通夜式の終了です。

ここからは葬儀・告別式の流れを紹介します。
まず最初に導師が入場します。司会者が開式を宣言し、列讃、光明供修法、九条錫杖、随行回向、鎖龕、起龕、奠湯、奠茶と続きます。

ここまで紹介した儀式で全体の半分といったところでしょうか。天台宗の葬儀の残り半分の流れとしては、引導、下炬、ご焼香、弔電の紹介、法施、念仏(光明真言)、総回向、導師退場、出棺で終了です。

本来であれば葬儀の後に告別式が行われるのですが、現代では葬儀の中に鐃鈑打流しなどが取り入れられ一度で済ませるケースが一般的です。今回紹介した流れはあくまでも一例ですから、地域によっては異なることがあります。

3.天台宗の葬儀作法

天台宗の葬儀作法やマナーについて分かりやすく紹介していきます

ピンク色のマーガレットの写真

この宗派の葬儀の作法として最初に紹介するのは、上記でも少し触れた数珠についてです。

天台宗の葬儀で使用する正式な数珠は楕円形の主玉が108個、丸い点玉が4個、親玉が1個、丸い弟子玉が10個、楕円形の弟子玉が20個、梵天房が2個という他宗派では見られない特殊な形状をしています。参列者はともかく、喪主や親戚でしたら正式な数珠を使用するのがマナーです。ちなみにこの数珠の価格ですが、本式であれば他の数珠と比較して若干高めになっています。

次に紹介する作法は焼香についてです。天台宗の葬儀では焼香の回数に決まりはありませんので、参列者が多い場合は1回にしておきましょう。抹香でしたら、親指と人差し指、中指で香をつまんで額の近くまで上げてから香炉の中に入れて下さい。稀に抹香ではなく線香の場合があります。その際は手前に一本、奥に二本立てるようにするのが正式な作法です。

その他のマナーとしてアクセサリーについて紹介します。葬儀ではネクタイピンやカフスボタンをつけないのがマナーとなっています。天台宗の葬儀でも同じですから、光物は用いないように注意して下さい。

ただし女性に限って言えば、真珠のネックレスやイヤリングはフォーマルの一部とされていますから、積極的に着用することをおすすめします。

4.天台宗の葬儀にかかる費用相場はいくら?

天台宗の葬儀の費用相場は内容によって異なりますので個別に紹介します

不祝儀袋の写真

この宗派での葬儀費用は他宗派と同様に、参列者の数、戒名のランク、葬儀方法によって違います。

相場金額が一番低いのは直葬プラン。お亡くなりになってからいったん安置し、火葬場に直接納棺する方法で、参列者が1~5名、12万円が相場となっています。

こちらのプランはお坊さんを呼ばず、テープでお経を流しますので、お布施やお車料は一切必要ありません。同じ直葬でも参列者が10名のプランでしたら16万円となります。

天台宗の葬儀だけ行うプランは5名参列で30万円+お布施、10名程度が参列して通夜式と葬儀を行なう場合は40万円+お布施が相場の金額です。30名以上が参列する一般の葬儀の相場は60万円+お布施となっています。

ちなみにお布施とは、お坊さんにお渡しするお礼と戒名料です。お布施の相場は関東で20万円、それ以外の地域でしたら10万円~15万円となっています。

上記の費用以外にも、お車代や食事代として5千円~1万円包む必要があります。白地の封筒にお布施・お車代と書いて、お盆の上に乗せ、葬儀が終了したらお礼の言葉とともにお渡しして下さい。

つまり天台宗での葬儀費用の相場は直葬が12万円から、家族葬が50万円~60万円、一般の葬儀が80万円~100万円という金額になります。これ以外にも葬儀の後は納骨費用や供養代などがかかりますから、事前に準備しておきましょう。

5.天台宗の葬儀情報まとめ

天台宗の葬儀に関するさまざまな情報のまとめとポイントのおさらい

白い仏花の写真

この宗派の葬儀に関連する情報をお伝えしてきましたが、最後におさらいも兼ねてポイントをまとめます。

まず天台宗を日本国内で広めたのは最澄です。総本山は比叡山延暦寺。日蓮や親鸞、法然、道元などの高僧も天台宗を勉強したことは有名で、現在でも多くの僧が修業しています。天台宗で使用する数珠は、他の宗派と比べて特殊な形状をしています。故人にゆかりのある方は、できるだけ本式の数珠を持って参列して下さい。

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