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下水道とは?その役割や必要性などを解説します

公開日:2021.11.12 更新日:2024.4.3
下水道とは?その役割や必要性などを解説します

下水道は私たちの生活になぜ必要なのかを様々な情報を交えてお伝えします。この水道は普段土の中に埋まっているので、直接見たことがある方は少ないでしょう。実はこの水道は現代の生活にとってある意味では上水道よりも重要なものです。そこで今回は、下水道が果たしている役割から破損などの事故事例などを交えながら、実際にどのように私たちの暮らしに密着しているものかを分かりやすく解説していきます。

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1. 下水道の役割①

下水道の役割その1。美しい自然の風景と綺麗な川や海を守ること

下水道の水を浄水して川に流している写真

この水道の役割でまず紹介するのが、自然を保護することです。

私たちは生活する上で様々な有害物質を川や海に流し続けてきました。特に1870年の産業革命以降はさまざまな石油製品が誕生し、汚染の原因になりました。下水道が本格整備されるまでの間それらをそのまま流していたために、1950年代になると川や海から魚がいなくなる事態に。当然自然の生態系が崩れ、川が腐敗し異臭を放つようになり、海の底もヘドロで埋め尽くされました。

そんな状態を解決すべく造られたのが下水道です。みなさんの家庭から出る油を含んだ生活排水や工業廃水を下水管を使用して一旦集め、綺麗にして海や川に流しています。

1980年代には3割だった普及率も2001年には6割になり、その数値は年々増加傾向にあります。

それに伴い海や川もきれいになっています。身近な川で蛍が見られるようになってきたのも下水道の効果です。

この水道から、川や海に排出する水には様々な基準が設けれています。下水管を通して集められた汚水は、浄化センターの中で何工程にも分けて、臭いや有害物質を取り除き、最後に数項目の水質チェックをクリアしたものだけが川や海に放流されます。外国の方にも大人気な日本の自然の風景はこうして守られています。

2. 下水道の役割②

下水道の役割その2。生活環境の改善と流行病の抑止などさまざま

汚れている川の水の写真

この水道の役割でまず紹介するのは、生活の環境を整えてくれている事です。下水道の歴史は上水道よりも古く、そのルーツは紀元前5000年とも言われています。もし下水道が無ければ、川や溝に尿や生活排水が直接流れることになります。それによりハエなどの害虫が大量発生し常に異臭がすることになります。

現在の下水道は、管を地中に埋めていますので害虫が大量発生することはありませんし、悪臭も感じることがありません。

それでも昭和40年代までは雨水と同じ管で流していましたので、大雨が降った時などには下水管から汚水が溢れ街全体に悪臭が漂う事がありました。それも昭和50年代以降は汚水と雨水の管を分離させることにより少なくなってきています。

下水道の恩恵を一番感じることが出来るのが、水洗トイレでしょう。この水道が出来る以前は、タンクを地中に埋め込んで使用する簡易水洗が一般的でした。しかし夏場などは排水口から嫌な臭いがこみ上げてきていました。

この水道の役割で次に紹介するのが、流行り病の抑止です。下水道があることによって汚水を生活空間と切り離すことが出来ていますので、ノロウィルスやコレラから身を守ることが出来ています。世界の中には下水道が整備されていない地域も多く、それらの場所では現在でも疫病による被害が多発しています。

3. 下水道の事故事例①

下水道の事故事例その1。下水道管の設置により道路が陥没することがあります

道路が陥没している写真

この水道で最初に紹介する事故事例は、道路が突然陥没したケースです。

地下鉄を延伸するために掘削作業した影響で下水道を支えていた地盤が崩れ、道路に突然直径5メートルの穴が開きました。

このケースが厄介なのは、すぐには崩れない点です。掘削作業により土が削られてしまうと、下水管の周りの砂が徐々に抜け落ちてしまい大きな穴が開いてしまいます。しばらくすると、地中の支えを失ったアスファルトが歪みはじめ、ある日突然崩落します。つまり陥没した道路の下にはすでに穴が開いていたことになります。

国土交通省によるとこの工事以外の陥没事故も全国で年間3,300件報告されています。一日に換算すると約9件です。いつどこで事故が起こってもおかしくない状態にあります。なぜここまで事故が多いのかと言うと、下水管の老朽化が原因と考えられています。

この水道で耐用年数を超えて使用し続けている管は東京都で延べ1,800キロと考えられています。さらに20年後には8,900キロになるとの調査も。特に都心部は急激な発展をしたために、下水管も同じ年代に作られたものが多いです。という事は耐用年数を超えるタイミングも同じという事になりますので、ある日突然道路の陥没が大量発生し、下水道が使用できなくなる事態も予想されています。

4. 下水道の事故事例②

下水道の事故事例その2。設置時やメンテナンス時の重大事故に要注意

下水道のマンホールの写真

この水道を設置する際には慎重に地盤調査を行い、安全確認してから作業をするのですが、それでも年に数回は重大な人身事故が発生しています。

最初に紹介する事故事例はくわえたばこで爆発したケースです。マンホールの下の溝を掘る作業に従事していた作業員が、タバコを口にくわえたまま配管内に侵入したところ、突然爆発してしまい大やけどを負いました。

後になり調査した結果、近くのガス管からガス漏れが起こっており、それに引火したものと思われます。

次に紹介する事例も設置途中の事故です。通常下水管を設置し、水を流す時には徐々に堰を開放していきます。事故が起こった現場でもそのようにしていたのですが、作業員がいるにもかかわらず誤って遮水壁を撤去してしまい、溜まっていた汚水から発生した硫化水素によって6人が被災しうち1名の方が命を落としました。

これらの事故事例からも分かるように、下水道の中には様々な有害物質が発生していることもありますので、一般の方も勝手にマンホールを開けて侵入しないようにしましょう。

ここでの事故事例で最後に紹介するのは、メンテナンス時に壁が崩れたケースです。定期点検で下水道内に侵入した際に壁のコンクリートが突然割れ、大量の土砂が流れ込み作業員が生き埋めになりました。数時間後救出したのですが、残念な結果になってしまいました。道路の陥没もそうですが、下水道の事故は突然起こりますので、お子様などには近づかないように言っておきましょう。

5. まとめ

下水道に関係する様々な情報のまとめと大切なポイントのおさらい

下水道を工事している写真

この水道に関して色々な角度から情報をお伝えしてきましたが、最後におさらいも兼ねて重要ポイントを紹介します。

最初のポイントは下水道は現代生活に不可欠なものですので、少しでも関心を持ちましょう。

第二に下水道の使用年数は限界に近づいていますので、道路に異常を感じた場合は、近づかず早めに関係各所に連絡しましょう。

下水道は危険な一面もあります。くれぐれも勝手に侵入したりしないで下さい。

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