1.水道引き込み工事に補助金はあるのか
補助金の有無は自治体によって違う
家の新築やリフォームの際には、家の中で給水するために水道の引き込み工事が必要になる場合があります。
引き込み工事では、道路に埋設されている水道本管から分岐させて、敷地内へ水道管を引き込みます。本管の分岐地点から先の設備は個人の財産となるため、工事費は原則として自己負担です。
工事費は決して安いとはいえないため、補助制度の有無が気になる人も多いでしょう。水道の引き込み工事では、自治体によって補助制度が設けられている場合があります。
ただし、補助制度の有無や内容は自治体ごとに異なります。一例として、福島市水道局の補助制度を紹介します。
・配水管布設延長20メートル以下(1戸当たり)
工事費用の全額を水道局が助成します。
・配水管布設延長20メートル以上(1戸当たり)
20メートルを超えた部分について、工事費の半額を水道局が助成します。
・輻輳管(道路上にタコ足状に水道管が伸びている状態)
切り替え工事の費用を水道局が全額助成します。
福島市水道局の場合、配水管の長さによって助成額が変わります。20メートル以下であれば全額助成、20メートルを超える場合は超過部分の半額が助成されるため、工事費の負担を大きく抑えられる可能性があります。
なお、自治体によっては補助制度自体が設けられていない場合もあります。補助金の金額や申請条件も地域ごとに異なるため、まずは自治体のホームページや市報などで制度の有無を確認しておくことが大切です。
2.水道引き込み工事の補助金は誰でももらえるのか
対象者や条件を確認しましょう
自治体によって異なりますが、水道の引き込み工事を行った場合、補助金がもらえることがあります。
補助金の対象となる条件にも自治体によって違いがありますが、ここでは稲敷市の「高額工事費支援制度」を例に挙げて説明します。
稲敷市では、工事費の合計が30万円を超えた部分につき半額を補助金として交付してもらえます。ただし、交付額は100万円が上限です。
補助金の対象となるのは、以下のような場合です。
■工事の見積もり費用が30万円を超える場合
■新規水道加入者
■給水場所に居住または居住予定であること(貸家、未契約建売住宅、事務所等は対象外)
■生活用水として使用すること
■申込者の同一世帯において、市税などについて未納がないこと
稲敷市の補助金制度は、水道本管から家までの距離が遠い場合や、道路構造が複雑な場合など、工事費用が高額になってしまう方の負担軽減を目的としています。
ですが、距離や道路構造に関係なく助成される場合や、そもそも補助金制度自体がない場合など、引き込み工事の補助金制度は自治体によって様々です。
また、対象となる条件に給水方式や口径などを細かく指定している自治体もあります。
まずはお住まいの自治体に補助金制度があるかどうか、自身の家は対象となるのかなどを調べておくと良いでしょう。
3.水道引き込み工事の申請方法
思ったよりも時間がかかるため早めに動くのがおすすめ
水道の引き込み工事では、道路に埋設されている水道管などの公共インフラを使用するため、自治体への申請や手続きが必要になります。
多くの場合、申請書類の作成や提出は指定工事業者が代行しますが、工事全体の流れを理解しておくことで手続きが進むタイミングを把握しやすくなります。
各自治体によって細かな手続きは異なりますが、水道引き込み工事の大まかな流れは以下の通りです。
1.工事を申し込む【申請者】
工事業者から申請内容や見積もりの説明を受け、内容に問題がなければ工事を承認します。
2.各種申請書の作成・提出【工事業者】
工事業者が給水装置新設工事申込書や給水装置新設工事施工申請書、工事図面などの必要書類を作成し、自治体へ提出します。
3.設計審査
提出された書類をもとに、自治体の水道課などで設計内容の審査が行われます。
4.水道加入金・各種手数料の納付【申請者】
給水加入金や申請手数料など、水道引き込み工事に必要な費用を自治体へ納付します。
5.工事の施工
水道加入金や手数料の納付が確認されないと工事は開始できないため、自治体から納付案内が届いたら早めに支払うことが重要です。
このように、水道引き込み工事の手続きの多くは指定工事業者が進めますが、申請者が行う主な手続きは「1.工事の申し込み」と「4.水道加入金・手数料の納付」の2つです。
また、自治体によっては補助制度が設けられている場合があり、その場合は補助金の申請手続きも同時に行う必要があります。
4.水道引き込み工事にかかる費用
工事には様々な費用が必要です
水道引き込み工事の費用は、おおよそ300,000円~500,000円ほどが目安とされています。
金額を見て驚く人もいるかもしれませんが、水道を引き込むために必要な費用は工事費だけではありません。自治体へ支払う手数料や加入金など、さまざまな費用が別途発生します。
例えば豊橋市では、工事費以外にも次のような費用が必要です。
・給水装置工事手数料
工事の申し込みに伴う審査などにかかる費用です。
新設工事の場合:メーター口径20ミリ以下 1,400円
メーター口径25ミリ以上 7,000円
その他の工事:1,400円
・給水管接続手数料
水道本管から給水管を接続するための手続きにかかる費用です。
13,000円
・メーター口径別の費用(加入金)
メーターの口径に応じて費用が異なります。増径工事の場合は、現在のメーターと新しいメーターとの差額を負担する必要があります。
口径13ミリ:77,000円
口径20ミリ:209,000円
口径25ミリ:352,000円
一般的な住宅では口径20ミリのメーターが多く、二世帯住宅など利用人数が多い場合には口径25ミリが使用されることがあります。
このほか、新設工事の場合は工事負担金33,000円が発生します。
水道引き込み工事では、工事費に加えて加入金や各種手数料が必要になるため、総額が大きくなる点に注意が必要です。
工事費用は施工する工事業者へ支払い、そのほかの手数料や加入金などは自治体へ納付します。費用負担を抑えるためにも、自治体に補助制度がある場合は事前に確認し、活用を検討するとよいでしょう。
5.水道引き込み工事で起こりやすいトラブルと業者選びのポイント
信頼できる業者に依頼しましょう
水道の引き込み工事を進める中で、思わぬトラブルが発生するケースもあります。工事の前に状況を確認していないと、追加費用や工事内容の変更が必要になることもあります。
特に多いトラブルとして、次のようなケースが挙げられます。
・既存の水道管が隣の敷地を通過していた
水道引き込み工事では、敷地前面の道路に埋設されている水道本管から分岐して引き込むのが原則です。しかし、古い住宅地などでは既存の水道管が他の住宅の敷地内を通っている場合があります。前面道路が私道の場合に起きやすく、このようなケースでは既存の水道管をそのまま使用できない可能性があり、新たに自分の敷地まで水道管を引き込む必要が生じることがあります。
・近隣住民から工事費の負担を求められる
前面道路に通っている水道管が私設管である場合、既に設置費用を負担している近隣住民から工事費の一部負担を求められることがあります。私設管を利用する場合は費用を支払って使用させてもらうか、自分で新たに水道管を引き込むかを選ぶ必要があります。
こうしたトラブルを避けるためには、工事業者選びも重要です。業者を選ぶ際には次のポイントを確認しておきましょう。
・指定給水装置工事事業者を選ぶ
指定給水装置工事事業者とは、給水装置工事を適切に行えると自治体が認めた業者のことです。水道引き込み工事は原則として指定給水装置工事事業者でなければ施工できません。どの業者が指定されているかは、自治体のホームページなどで確認できます。
・相見積もりをする
複数の業者から見積もりを取ることで、工事費の相場を把握できます。極端に安い場合や高い場合は、その理由を確認してから依頼するようにしましょう。
6.水道引き込み工事と補助制度のポイントまとめ
工事費の仕組みと補助制度を事前に確認しておこう
水道引き込み工事は、道路に埋設された水道本管から住宅へ水道管を引き込むための工事であり、新築住宅やリフォームの際に必要になることがあります。工事費はおおよそ30万円〜50万円ほどが目安ですが、給水加入金や各種手数料なども別途発生するため、総額ではさらに高額になる場合があります。
また、水道引き込み工事では自治体への申請や設計審査、加入金の納付など複数の手続きが必要です。多くの手続きは指定給水装置工事事業者が代行しますが、工事の流れを事前に理解しておくことで、手続きをスムーズに進めやすくなります。
さらに、自治体によっては水道引き込み工事の負担を軽減するための補助制度が設けられている場合があります。補助制度の有無や条件は自治体ごとに大きく異なるため、工事を検討する際には必ず自治体の公式情報を確認することが重要です。
工事を進める際には、既存の水道管の位置や私設管の有無などによってトラブルが発生することもあります。そのため、自治体に認定された指定給水装置工事事業者へ依頼し、必要に応じて相見積もりを取ることで、安心して工事を進められる環境を整えることが大切です。