空き家になった実家の片付け方|手順・費用・事業者選びを解説
公開日:2026.11.4
空き家になった実家を片付けたいものの、「何から手をつければよいのか」「どこまで処分してよいのか」と迷っていませんか。
実家の片付けは、親や家族の意向と家の今後の予定を確認し、残す物を決めてから進めることが大切です。時間や人手が限られている場合は、一部の作業を事業者に任せる方法もあります。
この記事では、空き家になった実家を片付ける順番や無理なく進めるコツ、自分で行う場合と事業者に依頼する場合の費用を解説します。事業者選びや補助金、遠方からの依頼についても紹介するので、自分たちに合う進め方を考える際にお役立てください。
おすすめ事業者へのお電話はこちらからPR
※一部地域は対応エリア外となります。詳細はお電話にてご確認ください。
空き家になった実家は今後の用途に合わせて片付けよう
実家をどの程度片付けるかは、これからの使い方によって変わります。親や家族と今後の予定を確認し、残す物と撤去する物を考えましょう。用途ごとの整理のポイントは、次の5つです。
- 再び住む場合は今後使う家具や家電を残して整理する
- 貸す場合は貸し出す条件に合わせて家財を整理する
- 空き家のまま維持する場合は清掃・点検ができるよう整理する
- 売却する場合は引き渡し条件に合わせて家財を撤去する
- 解体する場合は工事前に家財を搬出する
まだ方針が決まっていない場合も、それぞれの違いを把握しておくと、家族で話し合う際の判断材料になります。
再び住む場合は今後使う家具や家電を残して整理する
再び住む場合は、そこで暮らす人と相談し、今後使う家具や家電を残しましょう。持ち込む家財と用途が重なる物は、どちらを使うか決めてから整理します。
残すかどうかは、使えるかどうかだけでなく、今後の暮らしに必要かを基準に決めます。家具の置き場所や家電の動作も確かめておきましょう。
貸す場合は貸し出す条件に合わせて家財を整理する
実家を貸す場合は、家具・家電を付けて貸すか、家財を撤去して貸すかを不動産事業者と相談します。使える物が残っていても、貸し出す条件に合うとは限りません。
設備として残す物があるときは、品目や状態に加え、故障時の修理・交換をどう扱うかも確認しましょう。貸主と借主の認識が異なると、入居後の対応で行き違いが生じるおそれがあります。
残す物を一覧にし、合意した貸し出し条件に合わせて不要な家財を整理すると進めやすくなります。
空き家のまま維持する場合は清掃・点検ができるよう整理する
空き家のまま維持する場合は、清掃や点検のために室内を回れる状態に整えます。窓の前や水回り、部屋をつなぐ通路にある荷物から片付けましょう。
換気や通水、建物の確認を続けるには、窓や蛇口に近づけること、室内を安全に歩けることが大切です。食品や傷みやすい物は処分し、清掃道具など管理に使う物は取り出しやすい場所にまとめます。
家財を整理した後も、室内の清掃や点検は必要です。誰が通って管理するかも家族で決めておきましょう。
参照元:「空き家の持ち主応援隊」埼玉県
売却する場合は引き渡し条件に合わせて家財を撤去する
売却する場合は、撤去する家財と残す設備を不動産事業者に確認しましょう。何を残して引き渡せるかは、買主との取り決めによって変わります。
引き渡し日までに運び出す物が決まったら、搬出を手配します。エアコンなど、引き継ぐ予定の設備を誤って処分しないようにしましょう。
解体する場合は工事前に家財を搬出する
解体する予定がある場合は、工事が始まる前に家具・家電・生活用品などを搬出し、適切に処分します。建物を壊すからといって、家財もそのまま処分してもらえるとは限りません。
家庭で使っていた家財は、解体工事によって生じる廃棄物とは分けて扱う必要があります。解体事業者へ相談する際も、家財を実際に回収する事業者や処分方法を確かめましょう。
自治体の回収を利用するか、家庭ごみを扱える事業者へ依頼するかを決め、工事日までに搬出を終えられるよう調整してください。
参照元:「建築物の解体時等における残置物の取扱いについて」栃木県
関連記事:空き家のリスクとは?放置で起こる7つの問題と対策を解説
空き家になった実家の片付けの順番
片付けは、必要な物を誤って捨てないよう、家族への確認から始めます。次の順番で、家財の確認・仕分け・処分・清掃へと進みましょう。
- 親や家族と片付ける範囲や残す物を確認する
- 貴重品や重要書類を探して確保する
- 家財を残す物・処分する物・保留する物に分ける
- 不用品を種類に応じた方法で処分・搬出する
- 今後の用途に合わせて必要な清掃を行う
いきなり不用品を運び出さず、残す物と作業範囲を共有しておくことが、やり直しを防ぐポイントです。
1. 親や家族と片付ける範囲や残す物を確認する
まずは親本人や家族の意向を確認し、片付ける部屋と残しておきたい物を共有しましょう。親の施設入居や住み替えがきっかけの場合も、家が空いたことだけを理由に持ち物を処分しないようにします。
判断が分かれる物は、確認が取れるまで保留します。相続放棄を検討している場合は、家財を処分する前に弁護士や司法書士などへ相談してください。相続財産の処分は、状況によって相続を承認したものとみなされる可能性があります。
処分してよい物や行える作業の範囲を確認したうえで、片付けを進めましょう。
参照元:「民法 第921条(法定単純承認)」e-Gov法令検索
2. 貴重品や重要書類を探して確保する
家財をまとめて動かす前に、貴重品や重要書類を探して確保します。処分する物に紛れると見つけにくくなるため、先に保管場所を決めておきましょう。
- 現金・通帳・印鑑
- 不動産の権利関係の書類
- 保険証券や各種契約書
- 親や家族から探してほしいと頼まれた物
封筒や引き出し、かばんの中も確認し、見つけた物は処分品とは別の箱や場所にまとめます。保管する人と場所を家族で共有しておくと、後の手続きで必要になった際にも探しやすくなります。
3. 家財を残す物・処分する物・保留する物に分ける
家財は「残す物」「処分する物」「保留する物」の3つに分けます。箱やラベルで区別し、誰が見ても判断状況が分かるようにしましょう。
写真や手紙などで手が止まったら、その場で結論を出そうとせず、保留してほかの作業を進める方法があります。保留した物は確認する日を決め、家族と見直してください。
4. 不用品を種類に応じた方法で処分・搬出する
処分する物が決まったら、種類ごとに回収・搬出の方法を選びます。自治体ごとに品目や出し方が異なるため、実家の所在地の案内を確認してください。
- 一般ごみ・粗大ごみ:自治体が案内する回収や持ち込みを利用する
- 再販売できる家具・家電:買取の取扱品目や査定条件を確認する
- 自力で搬出できない家財:適切に回収できる事業者へ相談する
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電4品目に当たり、家電リサイクル法に沿った処分が必要です。購入店や買い替え先の店舗へ相談し、分からない場合は自治体に処分方法を確認しましょう。
回収日や持ち込みの予約を確かめ、搬出するまでの保管場所も確保してください。
参照元:「廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!」環境省
関連記事:家電リサイクル法とは?対象となる品目や家電の処分方法について
5. 今後の用途に合わせて必要な清掃を行う
家財を搬出した後は、実家の今後の用途に応じた清掃を行います。再び住む場合や貸す場合は、床や水回りなど、使い始めるために必要な場所を確認しましょう。
空き家のまま維持するなら、清掃とあわせて室内の状態を確認します。一方、解体予定の家まで、居住用と同じ水準に清掃する必要はありません。売却や解体の担当者に、引き渡しまでに必要な範囲を尋ねてください。
落としにくい汚れやにおいへの対応を事業者に任せる場合は、片付け料金に含まれるか、別途費用がかかるかを確認しましょう。
空き家になった実家の片付けを無理なく進めるコツ
実家の片付けを続けるには、一度の作業量と家族それぞれの負担を調整することが大切です。時間や人手に合わせて進めるために、次の2つを意識しましょう。
- 一度に作業する部屋と時間を区切る
- 家族で作業日と担当を分ける
家全体を一度に片付ける前提にせず、取り組む範囲と分担を具体的に決めてください。
一度に作業する部屋と時間を区切る
作業を始める前に、片付ける場所と終了時刻を決めましょう。一部屋を終える時間がなければ、棚や引き出しの一段からでも構いません。
一か所の仕分けを終えてから次に移ると、出した物で通路がふさがるのを防げます。時間になったら残す物と保留する物を分けて保管し、続きは次回に回しましょう。
家族で作業日と担当を分ける
家族で手伝える日を共有し、現地での作業と自宅から進められる準備を分担します。同じ日に全員が集まれなくても、担当を決めれば片付けを進められます。
- 現地に行く人:家財の確認や仕分け、残す物の保管
- 書類を確認する人:保険・契約関係の書類の整理
- 遠方の人:回収方法の確認、事業者への問い合わせや日程調整
現地に通う人だけに、処分の手配や連絡まで集中させないことがポイントです。作業後は写真やメモで進み具合を共有し、次に誰が何をするか確認しましょう。
空き家になった実家の片付けにかかる費用の目安
片付け費用は、自分たちで行うか、事業者にどこまで任せるかで変わります。処分代だけでなく、実家へ通う費用なども含めて比較しましょう。
それぞれに必要な支出と、事業者へ依頼する場合の間取り別の目安を紹介します。
自分や家族で片付ける場合の費用
自分や家族で片付ける場合も、ごみの処分手数料や交通費、道具代などがかかります。運搬用の車両を借りるなら、レンタル代や燃料代も見込んでおきましょう。
粗大ごみの料金は、自治体や品目によって異なります。家電4品目の処分を依頼する場合は、リサイクル料金や収集運搬料金も確認が必要です。
実家が遠方にある場合は、1回の交通費だけでなく、片付けが終わるまでの往復回数を含めて計算することが大切です。宿泊が必要なら、その費用も加えます。
支出とあわせて作業に使える日数や人手も整理し、大型家具の搬出など負担の大きい部分は事業者へ任せる方法を検討してください。
事業者に片付けを依頼する場合の費用
事業者へ依頼する費用は、間取り別の料金が大まかな予算の目安になります。家全体の片付けを依頼する場合は、次の表を参考にしてください。
実際の費用は、家財の量や搬出条件、依頼する作業内容、地域などによって変わります。長年の家財が多く残る実家では、同じ間取りでも表の目安を上回る可能性があります。一軒家や実家というだけで一律の料金にはならず、65万円も上限額ではありません。
また、仕分け・搬出・処分・簡易清掃のうち、料金に含まれる作業は事業者によって異なります。必要な作業を伝え、実家の状況に応じた総額を見積もりで確認しましょう。
関連記事:空き家の片付け費用はいくら?間取り別の相場と費用を抑える方法を解説
空き家になった実家の片付けを事業者に依頼した方がよいケース
自分たちで進める負担が大きい場合は、一部または全部の作業を事業者に任せる方法があります。特に、次のような状況では依頼を検討しましょう。
- 家財や大型の家具・家電が多く家族だけでは運び出せない
- 実家が遠方で片付けに通う時間を確保できない
- 売却や解体の期限までに家族だけでは片付けを終えられない
家財の量だけでなく、安全に運べるか、作業時間や期限に無理がないかを基準に判断してください。
家財や大型の家具・家電が多く家族だけでは運び出せない
家財が大量にある場合や、大型家具・重い家電を安全に運べない場合は、事業者への依頼を検討しましょう。無理に持ち上げると、けがや建物の損傷につながるおそれがあります。
特に、階段や狭い廊下を通る搬出は、人手があるだけで対応できるとは限りません。家財の大きさと設置場所、階段や通路の状況を伝え、必要な人員や作業を確認してもらってください。
小物の整理は家族で行い、大型家具の搬出は任せるなど、負担の大きい部分だけ相談する方法もあります。
実家が遠方で片付けに通う時間を確保できない
実家が遠く、帰省できる日だけでは作業が進まないときは、現地での仕分けや搬出を事業者に任せる方法があります。
何度も通うための時間や交通費と、事業者に依頼する費用を比べてみましょう。残す物の確認は家族で行い、搬出は事業者に任せるなど、帰省できる日数に合わせて分担を決めます。
売却や解体の期限までに家族だけでは片付けを終えられない
売却の引き渡し日や解体工事の開始日までに、家族だけでは片付けを終えられない場合は、早めに事業者へ相談します。必要な作業量と、実際に動ける日数を比べて判断しましょう。
問い合わせでは、希望する作業日だけでなく、片付けを完了させる期限と残っている家財の量を伝えることが大切です。仕分けから任せたいのか、搬出だけでよいのかもあわせて説明します。
事業者の空き状況によっては希望日に対応できないため、日程と作業範囲の両方を確認してから依頼してください。
関連記事:片付けを事業者に頼むのは恥ずかしい?不安を減らして依頼するためのポイントを解説
空き家になった実家の片付けを依頼する事業者の選び方
家族だけでは難しい作業を任せるときは、見積額とあわせて、作業の範囲やごみの処分方法も確かめましょう。依頼先を選ぶポイントは次の3つです。
- 作業条件をそろえて複数の事業者の見積もりを比較する
- 追加料金やキャンセル料の条件を確認する
- 家庭ごみを適切に処分できる事業者か確認する
見積もりを依頼するときと、契約を決める前に確認したい点を紹介します。
作業条件をそろえて複数の事業者の見積もりを比較する
家族で行う作業と事業者に任せたい作業を分け、どの事業者にも同じ範囲で見積もりを依頼しましょう。片付ける部屋と、仕分け・搬出・処分のどこまでを頼みたいかを伝えます。
見積書では、希望した作業がすべて含まれた総額を比べます。家族で対応できない作業が別料金になっていれば、その分も含めて見積もってもらいましょう。
追加料金やキャンセル料の条件を確認する
契約前に、どんな場合に追加料金がかかるかを確かめましょう。処分する家財や作業が増えたときは、追加分の金額を聞いてから依頼します。
日程変更やキャンセルについては、料金が発生する時期と金額を確認します。条件を見積書やメールに残してもらうと、家族とも共有できます。
家庭ごみを適切に処分できる事業者か確認する
家庭ごみの処分まで頼む場合は、実際にごみを回収する事業者の名前を聞きましょう。仕分けをする会社と回収する会社が別の場合もあります。
家庭ごみの収集・運搬には、原則として実家がある市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可、またはその市区町村からの委託が必要です。回収先や品目ごとの処分方法が適切か分からないときは、自治体のごみ担当窓口で確認してください。
参照元:「廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!」環境省
空き家になった実家の片付けに関するよくある質問
片付けを始める前には、補助金や依頼時の準備なども気になるところです。ここでは、実家の整理を検討している方が確認しておきたい、次の疑問に答えます。
- 実家の片付けに使える補助金はありますか?
- 売るか残すか決まっていなくても、片付けを始めてよいですか?
- 遠方に住んでいても、立ち会わずに依頼できますか?
- 事業者が来る前に分別や袋詰めをしておく必要はありますか?
家の今後の予定や実家までの距離に合わせて、利用できる制度と依頼の条件を確かめましょう。
実家の片付けに使える補助金はありますか?
自治体によっては、空き家に残った家財の処分に補助金を使えます。対象者や対象となる費用、申請の時期は制度ごとに異なります。
空き家バンクへの登録や作業前の申請が条件になることもあるため、事業者と契約する前に、実家のある市区町村へ相談しましょう。
参照元:「空き家の片付けに補助金を活用できます」瀬戸内市
関連記事:空き家を片付けたときの補助金はどうすればもらえる?申請方法も紹介!
売るか残すか決まっていなくても、片付けを始めてよいですか?
はい。実家を今後どうするか決まっていなくても、貴重品や重要書類の確保から始められます。処分は、持ち主や家族が不要と確認した物にとどめましょう。
家具や思い出の品など、判断に迷う物は保留できます。相続放棄を検討している場合は、家財を処分する前に専門家へ相談してください。
遠方に住んでいても、立ち会わずに依頼できますか?
事業者によっては、鍵を預けて作業を任せ、終了後に写真で報告を受けられます。見積もり・作業当日・完了確認のどこで立ち会いが必要か、予約前に尋ねましょう。
不在で頼む場合は、鍵の受け渡しと返却方法を決め、残しておきたい物や当日の連絡先を伝えておきます。
事業者が来る前に分別や袋詰めをしておく必要はありますか?
仕分けや袋詰めまで依頼できる場合は、自分たちですべて分別しておく必要はありません。見積もりの際に、料金に含まれる作業と事前に準備することを聞いておきましょう。
残す物や貴重品は、処分する物と区別できる場所にまとめるか、作業前に事業者へ伝えてください。
まとめ|空き家になった実家の片付けは、無理のない範囲で進めよう
空き家になった実家の片付けは、親や家族の意向と用途を確認し、残す物を決めてから進めましょう。貴重品や重要書類を確保し、仕分け・処分・清掃の順に取り組むと、必要な物を誤って捨てることを防ぎやすくなります。
家財が多い、遠方で通えない、期限に間に合わない場合は、無理をせず事業者への依頼を検討してください。自分たちで行う場合の支出や作業時間と、依頼する場合の費用を比べ、任せる範囲を決めることが大切です。
EPARKくらしのレスキューでは、実家の片付けを相談できる事業者を探せます。対応地域やサービス内容を確認し、候補の事業者へ電話で実家の状況・希望する作業・予算や日程を伝えて、見積もりを依頼しましょう。
おすすめ事業者へのお電話はこちらからPR
※一部地域は対応エリア外となります。詳細はお電話にてご確認ください。