本文へ移動

外来種害獣のタイワンリスによる被害はどんなの?対策方法などを解説します

公開日:2021.10.29 更新日:2024.4.4
外来種害獣のタイワンリスによる被害はどんなの?対策方法などを解説します

外来種害獣であるタイワンリスに関するさまざまな情報を簡単に紹介します。この害獣は見た目の可愛さとは裏腹に、様々な被害を及ぼしています。特に鎌倉市では深刻で、市を挙げて対策しているものの、被害エリアの拡大に歯止めが効かない状況になっています。タイワンリスを追い出したり、駆除するためには生態などの情報を基に行わないと非効率ですね。そこで今回はタイワンリスの生息地や被害状況、具体的対策などを紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。

おすすめ事業者へのお電話はこちらからPR

害虫害獣おたすけ本舗

1. タイワンリスの本来の生息地とは?

タイワンリスの本来の生息地は名前の通り台湾です。日本で繁殖した経緯を紹介

道で餌を探すタイワンリスの写真

この害獣は台湾でのみ生息していたのですが、1935年に観賞用として伊豆大島に輸入されました。当初は管理された小屋で飼育されていましたが、逃げ出してしまい、野生化して現在に至ります。

1951年になると、展示目的で伊豆大島から54匹のタイワンリスを連れてきて、植物園で飼育していたのですが、台風によって飼育小屋が壊れ、野生化して被害を及ぼすようになりました。

タイワンリスは千葉や伊豆大島以外にも大阪、和歌山で多く存在しています。当初はその愛くるしさから、ペットとしても人気があったようですが、増えすぎたタイワンリスは固有種である、二ホンリスを脅かすようになったのです。

これから年数が経過するたびに、現在被害に困っている自治体以外にも、生息エリア増えることが考えられます。ちなみに国内でのタイワンリス生息地の最南端は長崎県の壱岐や五島列島です。

この害獣の天敵は蛇ですが、日本にはタイワンリスを飲み込むような大きい蛇はほぼいませんので彼らの好き放題になっています。鎌倉市などはタイワンリスを追い出すために町単位で対策を進めていますが繁殖に駆除が追い付いていません。

被害が拡大しているタイワンリスですが、未だに野生のリスと触れ合うことを観光の目玉とした施設も造られています。

2. タイワンリスの生態について

タイワンリスの生態に関するさまざまな情報を分かりやすく紹介していきます

木にとまっているタイワンリスの写真

この害獣の生態として最初に紹介するのは、食生活です。タイワンリスは基本的に雑食性で木の実や果実、野菜、昆虫などを好んで食します。また食べ物が少ない季節には樹皮を剥がして、樹液をなめて過ごすこともあるようです。

リスと聞くと、冬場になると冬眠するイメージがありますが、タイワンリスはたえず行動しています。

次に紹介する生態は繁殖についてです。タイワンリスは繁殖期が決まっていないので、冬場でも生殖活動することがあり、1年に3回も出産することがあります。妊娠期間は47日から49日。一回の出産で生まれる子供の数は平均2匹、出産後50日を超えると子供は独り立ちをして、巣から離れます。

生まれてから一年が経過すると、出産できるようになりますので、あっという間に数が増えます。野生で生活しているタイワンリスの寿命は、4年から5年なのですが、小さいうちにヘビに食べられることを含めて考えると、成獣の寿命はもう少し長くなります。

この害獣の生態として最後に紹介するのは巣です。タイワンリスは細い木や落ち葉などを利用して蛇などに見つからないように木の上に巣を作ります。タイワンリスが生息している場所で冬場に木の上を見上げると巣を発見することがあります。

その他にもタイワンリスは単独行動なのですが危険が近づいてくると鳴き声をだして周りの仲間に注意を促します。

3. タイワンリスが及ぼしている被害状況

タイワンリスが及ぼしている被害状況について分かりやすく紹介します

住宅に住み着いているタイワンリスの写真

この害獣による被害として最初に紹介するのは、家の中を荒らされることです。生態の箇所でもお伝えしましたが、タイワンリスは通常木の上に巣を作っていますが、稀に家の天井裏や戸袋に住み着くことがあります。家の中に住み着かれると、糞をしたり、鋭い爪で断熱材などを引き裂かれてしまいます。

また、タイワンリスにはノミなどの害虫が付着していますし、糞が乾燥して部屋の中に舞うことで、喘息やアトピー性皮膚炎を引き起こすことがあります。

この害獣の被害として次に紹介するのは、立ち枯れです。タイワンリスは樹液を飲むために木の皮を剥がします。ミカンや柿の実だけ食べられたのなら、来年になると再び実をつけますが、樹皮を剥がされたら枯れるしかありません。この被害は他の外来種害獣には無いタイワンリスだけの特徴です。

さらにタイワンリスは動きが素早いので、店頭に出している果物や野菜などをかじることがありますので、生息地の近くでお店をされている方は注意して下さい。

この害獣による被害で最後に紹介するのが、生態系への悪影響です。タイワンリスが輸入された1930年代にはたくさんの二ホンリスが生存していました。全てがこの害獣の責任という訳ではありませんが、タイワンリスが増えることでエサの争奪戦などが激化し、結果として二ホンリスがレッドリストに登録されることとなりました。

4. タイワンリスによる被害への対策方法

タイワンリスによる被害への対策方法や必要道具の詳細を簡単に紹介します

捕獲器が置かれた森の写真

この害獣への対策で最初に紹介する方法は箱罠です。タイワンリスがいそうな場所に季節に応じたエサを入れて設置しておきましょう。箱罠自体は10,000円くらいで手に入れることが出来るのですが、使用するには罠の免許が必要になりますので、取得するか、自治体に相談して捕獲許可証を交付してもらいましょう。

家の中に侵入された場合は、燻煙剤を使用して家の中から追い出しましょう。自ら屋根裏に入って追い出すことも出来ますが、爪で攻撃されて怪我をする危険がありますので、なるべく控えましょう。

この害獣による畑の被害に対処する方法はこれと言ってないのが現状です。小さいので電気柵を設置しても意味がありませんし、有効な忌避剤も販売されていません。強いて紹介するならトタンなどのツルツルした板で畑の周りを囲うことです。その際に板が1m以下でしたら、乗り越えられますので、必ず1m以上にしておきましょう。

この害獣への対策で最後に紹介するのは専門業者に依頼することです。冒頭でも紹介した通り罠の設置には免許や許可が必要ですしコツもいります。タイワンリスの駆除を専門に行っている業者でしたら、必要道具や経験に裏打ちされたノウハウを持っています。

自分で対策することと比べて費用が高くなるのは事実ですが、確実に対処したいのであれば専門業者に相談してみましょう。

5. 外来種害獣タイワンリスのまとめ

外来種害獣であるタイワンリスに関する情報のまとめとポイントのおさらい

餌を食べているタイワンリスの写真

この害獣に関するさまざまな情報をお伝えしてきましたが、最後におさらいも兼ねてポイントをまとめます。

タイワンリスの生息域は現在のところ非常に限定的ですが、拡大傾向にあるので注意が必要です。

この害獣の食害は農作物だけでなく、木そのものにも被害が及ぶことがあります。最も有効な対策としては箱罠の設置ですが、罠免許や自治体からの許可を必要としますので、各役所などに相談して下さい。

おすすめ事業者へのお電話はこちらからPR

害虫害獣おたすけ本舗

害獣駆除の新着記事

おすすめ記事