ペアガラス(複層ガラス)とは? 交換するメリットとデメリットを解説
公開日:2021.11.2 更新日:2024.4.1ガラスとガラスの間に密閉された中間層があることで断熱効果を得られる「ペアガラス(複層)」についてご存知でしょうか?ここではペアガラスに交換するメリットとデメリット、また一般的な費用についてを解説します。
ガラスとガラスの間に密閉された中間層があることで断熱効果を得られる「ペアガラス(複層)」についてご存知でしょうか?ここではペアガラスに交換するメリットとデメリット、また一般的な費用についてを解説します。
2枚のガラスの間は空気が入っているものが多いですが、ただガラスを組み合わせたことで圧縮された空気が入っているというわけではなく、2枚のガラスの間にスペーサーと呼ばれるアルミや樹脂で作られた部材があり、スペーサーの中には乾燥材が入っているので「乾燥された空気」が空気層を作ることになります。また最近のペアガラスはスペーサーが小さく、2枚のガラスの空気層が真空になっていて、断熱性能が通常のペアガラスよりもさらに高まっている「真空ペアガラス」や、ガラスの枚数を3枚になっているものもあります。
さらには片方のガラスを防犯ガラスやワイヤレス防火ガラスにしたものなど、さまざまな種類のペアガラスが発売されています。
2枚のガラスの間に空気層があるのは大きなポイントで、外から家の中に入ろうとする熱を空気層が防いでくれるだけでなく、家の中の熱が外に出てしまうことを防いでくれる効果もあります。また冬場に発生する結露を防いでくれるという効果があるので、ペアガラスは普通の窓ガラスよりも熱に対して強いガラスといえるでしょう。
・外気温に左右されない
ペアガラスは外の冷たい空気や暑い空気を家の中に入り込むことを防ぐだけでなく、冷暖房による室内の空気が外に出ることを防いでくれます。このため夏であれば涼しく、冬には暖かくという快適な空間を普通の窓ガラスよりも作りやすくなります。
また快適な空間を作れるので、必要以上に冷暖房を動かさずに済み、結果として電気代の節約にも大きな効果を発揮します。
・結露を防ぎ、シックハウスの予防につながる
冬場に窓ガラスにびっしりと結露が付着してしまう経験がある人も少なくないでしょうが、結露は窓枠などを汚してしまうのみならずカビの原因になってしまうので、結果としてシックハウスの原因のひとつとされています。
しかしペアガラスではこの結露が発生することも防げるので、カビの発生も抑えられ、シックハウスも予防できます。
これ以外にもリフォームをするときにペアガラスであれば取りつけがしやすく、また補助金の申請にも有利なことや、ガラスの組み合わせを変えることで防火性や防犯性など、生活状況に合わせた複層ペアガラスの強みを最大限に発揮することが可能です。
ここからはそんなペアガラスに交換するデメリットについて解説します。
・結露が防止できない?
メリットの部分で結露の防止に効果があるという説明をしましたが、ペアガラスで結露対策をする場合に注意しなければならないのがサッシとアタッチメントの素材です。一般家庭ではサッシの素材がアルミを使っているものが多く、アルミサッシに結露が付着してしまっている状況でアルミ製のアタッチメントを使うペアガラスを導入した場合、結露の防止になるどころか範囲が増えてしまうという逆効果にもなってしまいます。
このため結露対策にペアガラスを導入する場合はサッシやアタッチメントを樹脂のものにすることで、結露対策につなげられます。
また複層のペアガラスは「遮熱」性が強いものと「断熱」性が強いものがあり、配置する場所を間違えるとかえって逆効果になることも多いほか、既存の窓をペアガラスにしてしまうと厚みが増すのでシャッターやカーテンレールの影響から交換できないというケースもあります。このほかにもスペーサーがアルミ製のものである場合は断熱に対する効果が弱くなってしまうというデメリットもあるので注意が必要です。
もちろんペアガラス本体だけあれば済むということはなく、ガラスだけ交換する工事費用は約8,000円とされていますが、サッシごと交換する場合や障子を交換する場合などによって費用も変わります。
・サッシごと交換する場合
サッシごと交換する場合の工事費用は10万円程度とされ、それにペアガラス代とサッシ枠の値段を足して16万円程度がサッシごと交換する場合の費用です。
・障子を交換する場合
障子を交換する場合はサッシごと交換する場合に比べて工事費用や障子価格は抑えられ、障子費用が約3,000円、障子交換の工事費用が約4万円とされているので、工事費用は総額で10万円程度です。
今回ご紹介したペアガラスの費用の相場は窓の大きさが1830×915㎜という大きさの場合で、窓の大きさが変わればペアガラス自体の値段も変わっていくので、トータルとしてかかる費用も当然上下していきます。
ペアガラスの交換はリフォームに該当するので、比較サイトなどを利用して適正価格をしっかりと判断することが重要です。
今回は窓ガラスの中でも遮熱や断熱に強く、結露対策にもなり、節電にも役立つとされるペアガラス(複層ガラス)の仕組みや、交換するメリット・デメリットなどをご紹介しました。
窓ガラスは外と家の中を隔てるものですが、遮熱や断熱はもちろん防犯や耐火などさまざまな役割が求められるものです。
その中でペアガラス(複層ガラス)は異なる2枚のガラスを組み合わせて作ることも可能なので、住んでいる地域によって求められる異なる役割をカバーできることはもちろん、家の間取りやデザインなど、さまざまな観点から組み合わせが可能になります。
こういったメリットを持つことからペアガラスの注目度や期待は高くなる傾向にあり、真空ペアガラスやトリプルガラスといった新しい商品もどんどん販売されています。
しかしそんなペアガラスも導入にリフォームが必要なことからランニングコストの高さや、窓の配置によっては十分な効果が得られないといったデメリットも少なくなく、ペアガラスを導入する前には慎重な検討や複数のリフォーム業者の相場を調べるといった行動が必要です。
快適な生活を手に入れるために、ペアガラスをうまく導入してみましょう。