屋根の経年劣化では火災保険が使えない?保険適用のルールや費用を抑えるコツを解説
公開日:2022.11.30 更新日:2024.4.18
地震や台風といった自然災害により自宅の屋根が被害を受けた際に補償してくれるのが「火災保険」です。
ただそんな火災保険は屋根が経年劣化している場合には利用することはできません。
今回は屋根の経年劣化で火災保険が使えない理由や保険以外で費用を抑えるコツを解説します。
地震や台風といった自然災害により自宅の屋根が被害を受けた際に補償してくれるのが「火災保険」です。
ただそんな火災保険は屋根が経年劣化している場合には利用することはできません。
今回は屋根の経年劣化で火災保険が使えない理由や保険以外で費用を抑えるコツを解説します。
火災保険は火災はもちろん、台風や地震など自然災害に見舞われた建物の損害も補償してくれます。
しかし、屋根の経年劣化をはじめ、不具合の状態によっては補償が受けられないこともあります。
経年劣化はどのような建物であっても発生します。
季節を問わず雨風に打たれている建物は、これといった災害に直面していなくてもダメージを受けています。
また、建物に住んでいる人はこうしたダメージについて予想がしやすく、対策を立てようと思えばいつでもできます。
こうした理由から、経年劣化した屋根の修理には火災保険を適用させることができません。
経年劣化の症状はさまざまなところで見られます。
例えば外壁部分の塗装は剥がれやすく、場合によっては壁にヒビが入っていたりすることもあります。
他にも建物の屋根には知らない間にコケやカビが出現していたりすることもあります。
金属部分の劣化も屋根の経年劣化によって発生する不具合の一つです。
こうした現象や不具合が見られたらすぐに業者に連絡して補修してもらいましょう。
火災保険が使えないことから費用は高くつくものの、しっかりと直してもらえます。
放置しているままですと、被害がさらに拡大するため、なるべく早く補修してもらうことが肝心です。
火災保険によって修理費用の補償が受けられないのは経年劣化だけではありません。
それ以外にも特定の原因や損害が理由で火災保険の適用対象外になるケースがあります。
・損害が免責金額以下になった場合
免責金額とは建物に住んでいる人が自己負担しなければならない金額のことです。
例えば免責金額が10万円に設定されていて60万円もの損害を被ったとすると、10万円分は自己負担となり、残りの50万円は保険会社から保険金として支払われます。
ただし損害額が免責金額を下回った場合にはすべて自己負担しなければならず、保険は適用されません。
免責金額によって自己負担額を減らせるというメリットはありますが、万が一の時の自己負担額が増えるというデメリットもあります。
・改修工事で損害を受けた場合
前述したような経年劣化による外壁のヒビ割れや塗装の剝がれなど、改修工事が必要になることもあります。
こうした改修工事では、作業中に何かしらの不具合が発生することもありますが、こうした場合は補償が受けられません。
基本的に人の手による損害は火災保険の対象外となります。
・損害が発生して3年以上経過している
保険法では、損害への補償が請求できるのは権利発生時より3年までとなっています。
火災保険が適用される損害であっても、この期間を過ぎると補償が受けられません。
災害が発生した時の補償の際に頼りになるのが火災保険です。
屋根の経年劣化の修理では火災保険は利用できませんが、自然災害が原因とされる損害であれば一定の補償が受けられます。
一般的には台風をはじめとした暴風・強風などの風災での被害に対して補償してくれます。
自然災害が発生した際の火災保険の申請方法は、実は想像以上に簡単に行うことができます。
加入されている保険会社から資料を送付してもらい、それに必要事項を記入して送るだけ。
後は申請さえ通れば保険金が指定しておいた口座に入金されます。
こうした損害に備えて火災保険を準備しておくことをおすすめします。
きちんと身の回りで起こった状況を報告することで、屋根修理の費用を捻出することができます。
経年劣化した屋根の補修方法は実にさまざまで、その時の屋根の状態によって最適な補修方法は異なります。
そんな主な屋根の補修方法は次の通りです。
・部分補修
屋根材の一部の破損や浮きといった状態で行う補修です。
棟板金や雨どいの補修といった場合にも部分補修が行われます。
部分的な対応であることから、他の補修方法と比べて費用は安くなります。
・塗装工事
全体的な色褪せやサビ、コケなどが見られた時に利用される補修方法です。日本瓦以外ほとんどの屋根材にはこの補修方法が利用されます。
使用する塗料の種類によって防汚や遮熱などの機能を追加することができます。
・カバー工法
既存の屋根瓦の上から新しい屋根を取り付ける補修方法のことを指します。
今ある屋根瓦を撤去しない分、解体や処分費などを抑えることが可能です。
また、屋根を二重にすることで、雨音の軽減や断熱性能の向上といった効果が期待できます。
基本的にカバー工法では耐震性の観点から、ガルバリウム鋼板などあまり重くない屋根材が使用されます。
・葺き替え
既存の瓦屋根全体を新しく交換する補修方法になります。
屋根全体に瓦のひび割れやズレていたりしたときは、この方法が用いられます。
すべての屋根材を新しくするので、外観に変化を与えることもできます。
劣化した屋根を業者に補修してもらうにはある程度の費用がかかります。専門業者による屋根修理の費用相場は以下の通りです。
部分補修:60,000~300,000円
塗装工事:500,000~8000,000円(30坪の住宅の場合)
カバー工法:800,000~1,200,000円
葺き替え:800,000~2,000,000円
上記の費用はあくまでも目安であり、自宅の環境によって費用が異なります。使用される屋根材の種類によっては費用が高くつくこともあります。
この他、業者の出張費用も別途加算されます。
屋根の経年劣化の修理には火災保険が使えませんが、火災保険を適応せずとも費用を安くする方法があります。
一つは複数の業者の見積もりを比較すること。
費用の内訳を知っておくことで、後から要らないオプションサービスを申し込まずに済みます。また、修理にかかる費用が高額になるほど適正価格を知っておくことは大切です。
同じ工事内容であっても、依頼される業者によっては数万円もの差が出る場合もあります。
自宅から近いところにある業者の中で最もお得なところを見つけらるためにも、最低でも3社以上の見積もりを比較することをおすすめします。
もう一つは割引キャンペーンを実施している業者を調べること。
オンライン申し込み限定価格や期間限定の割引キャンペーンなど、業者によっては割引キャンペーンを使うことで費用が安くなります。