エアコンの室外機だけの交換は可能?故障の際の対処法や気になる費用まで徹底解説
公開日:2025.10.14
エアコンの効きが悪くなったとき、「室外機だけ交換すれば直るのでは?」と考える方も多いでしょう。確かに、故障の原因が室外機にある場合、すべてを買い替えるより費用を抑えられる可能性があります。
しかし、室外機だけの交換は必ずしもすべてのケースで対応できるわけではありません。
この記事では、室外機のみの交換が可能な条件や注意点、交換が必要になる主な原因、交換を検討すべきタイミングまで詳しく解説します。
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1.エアコンの室外機だけの交換はできるのか
室外機単体での交換はおすすめできません
エアコンの室外機は、室内機と連動して冷暖房の空気を作り出す重要な装置です。室外機が故障すると、空気を冷やしたり温めたりできなくなり、エアコン全体が機能しなくなります。
そのため、「室外機だけ交換すれば費用を抑えられるのでは?」と考える方も少なくありません。
結論から言えば、エアコンの室外機だけを交換することは可能ですが、基本的にはおすすめできません。
その理由を順に見ていきましょう。
室内機とのバランスやメーカーの違い
エアコンの室外機と室内機は、セットでの使用を前提として設計されています。 室内機と異なるメーカーや年式の室外機を取り付けると、正常に運転できないことが多いです。
そのため、室外機だけを購入する場合は、室内機との適合性や冷媒ガスの種類などを考慮する必要があり、専門知識が求められます。
素人判断で交換するのはリスクが高いと言えるでしょう。
経年劣化による性能低下
室外機が故障するころには、同じ時期に設置された室内機も少なからず劣化しています。 室外機だけを新しくしても、室内機の性能低下が原因で効率が悪くなったり、すぐに別の箇所が故障したりするケースもあります。
結果的に、セットで交換したほうが長期的に見てコストを抑えられることが多いです。
総合的に考えると費用は安くない
専門業者に依頼して相性の良い室外機を探してもらうこともできますが、調査や取り付け工賃を含めるとそれなりの費用がかかります。
さらに、バランスの悪い組み合わせでは再度故障するリスクも高まります。
結果として、室外機だけを交換しても想定より安く済まないことが多く、室内機とセットで交換したほうが総合的にメリットが大きいと言えるでしょう。
2.室外機の調子が悪い時に試してみたいこと
まずは故障かどうかを確認しましょう
「エアコンの室外機の故障かな?」と思ったら、まずは以下のポイントを順番に確認してみましょう。
自分でできる簡単なチェックを行うことで、故障ではなく一時的な不具合であるケースも見分けられます。
送風運転になっていないか確認
エアコンが送風運転モードになっている場合、室外機は作動しません。 室内機のファンだけが動くため、風は出ていても部屋の温度は変わらない状態になります。
冷房や暖房を入れても温度が変わらないときは、まずリモコンで運転モードを確認しましょう。
室外機周辺に障害物がないか確認
室外機の周りに荷物や草木、壁などの障害物があると、空気をうまく取り込めず運転に支障をきたします。 排気や吸気が妨げられることで、過熱や停止の原因になることもあります。
周囲に物がある場合は移動させ、スペースを確保してから再度運転してみましょう。
リモコンのエラーコードを確認
リモコンの画面にエラーコードが表示されている場合は、取扱説明書で内容を確認しましょう。 コードごとに原因や対処法が記載されているため、問題の特定につながります。
極端な温度設定にしてみる
設定温度にすでに達している場合や、室外機に熱がこもっているときは運転が一時停止することがあります。 この現象は故障ではなく、正常な保護機能によるものです。
冷房なら18℃、暖房なら30℃ほどに設定し、再度動作するか確認してみましょう。
コンセントを差し直す
エアコンの電源を一度抜き、1〜2分ほど待ってから再度差し込むと、内部リセットがかかる場合があります。 スマホやパソコンの再起動と同じように、エラーが解消されることもあります。
「応急運転」ボタンを押してみる
それでも動かない場合は、「応急運転」ボタンを試してみましょう。 ボタンはエアコン本体にあることが多く、押すことで簡易運転が可能になります。
場所が分からない場合は、取扱説明書で確認してください。
上記の項目を試してエアコンが動いた場合は、室外機の故障ではありません。
それでも動かない場合は、室外機の故障や基盤の不具合など、専門的な修理が必要な可能性があります。
3.室外機が故障する原因
原因によっては修理か交換が必要です
室外機が動かない場合、内部の電子部品や冷媒ガスの異常など、さまざまな原因が考えられます。
ここでは代表的な原因を紹介します。以下のようなケースに当てはまる場合は、自分での修理が難しいため、専門業者に依頼しましょう。
制御基板の故障
制御基板は、エアコン本体や室外機の動作を制御する「頭脳」のような部分です。 ここが故障すると、エアコン全体に指令が届かず、正常に動作しなくなります。
原因の多くは経年劣化で、特に10年以上使用しているエアコンでは、基板の歪みや熱による劣化が発生しやすくなります。
スイッチを入れても動かない場合は、制御基板の不具合が疑われます。
パワートランジスタの故障
パワートランジスタは、室外機内部で電力を増幅し、コンプレッサーやファンを動かすための重要な部品です。 この部分に不具合が生じると、十分な電力が供給されず、エアコンが正常に運転できなくなります。
症状としては、室外機の動作が停止したり、風が弱くなったりするケースが多く見られます。
冷媒ガスの漏れ・不足
冷媒ガスは、室内機と室外機の間を循環して熱を運ぶ役割を持っています。 このガスが漏れたり不足したりすると、冷房や暖房の効きが悪くなり、室外機の運転が止まる場合があります。
冷媒ガスの漏れは、配管の劣化や施工時の不具合などが原因で起こることが多く、放置するとコンプレッサーの故障にもつながります。
ファンモーターの故障
ファンモーターは、冷媒ガスを冷却して外に熱を放出するための部品です。 このモーターが故障すると、冷媒ガスをうまく冷やせず、冷暖房の効きが悪くなります。
また、室外機のファンがまったく回っていない場合は、ファンモーターのトラブルが発生している可能性が高いでしょう。
上記のような内部部品の故障は、分解や交換に専門的な知識が必要です。
無理に自分で修理を行うと、さらに故障が悪化する恐れがあるため、異常を感じたら早めに修理業者へ相談するのが安全です。
4.室外機が故障した時の対処法とは
使用年数や修理代のバランスで考えましょう
室外機が故障した場合の対処法を紹介します。故障の程度やエアコンの使用年数によって、交換すべきか修理すべきかの判断が異なります。
室外機と室内機の両方を交換する
室外機だけを交換すると、室内機との相性や年式の違いから不具合が起こるおそれがあります。 そのため、基本的には室外機と室内機をセットで交換するのがおすすめです。
室外機の寿命はおおよそ10年といわれており、それを超えると部品の劣化や動作不良が増えます。
長年使用している場合は、修理してもすぐに別の箇所が故障することもあり、結果的に交換より高くつくことがあります。
一方、最近のエアコンは省エネ性能が大きく向上しており、新しく入れ替えることで電気代の削減にもつながります。
10年以上経過しているエアコンに不具合がある場合は、室外機と室内機の同時交換を検討しましょう。
専門業者に修理を依頼する
購入してからそれほど時間が経っていない場合や、エアコンをできるだけ長く使いたい場合は、専門業者に修理を依頼するのが適切です。 室外機の基板交換や冷媒ガスの補充など、部品単位での修理が可能なケースもあります。
ただし、故障の内容によっては高額になることもあるため、まずは見積もりを取り、修理と交換のどちらがコスト面で得かを比較しましょう。
見積もり内容を比較して納得のいく方法を選べば、修理や交換にかかる無駄な出費を防ぐことができます。
5.室外機の修理方法や費用
修理や交換はプロにお任せしましょう
エアコンの室外機を修理する場合、どの部品を直すかによって費用は大きく異なります。
主な修理箇所ごとの目安は以下の通りです。
修理箇所ごとの費用目安
・制御基板:24,000円~37,000円ほど
・コンプレッサー交換:58,000円~110,000円ほど
・ファンモーター交換:20,000円~36,000円ほど
・パワートランジスタを含む室外機基板:24,000円~36,000円ほど
・冷媒ガス漏れなどの修理:61,000円~110,000円ほど
・センサー交換:11,000円~17,000円ほど
修理費用は安いものでも約11,000円から、高いものでは10万円を超えることもあります。
特にコンプレッサー関連の修理は高額になりやすく、「新しく買い替えた方が結果的に安くなる」ケースも少なくありません。
エアコンの使用年数が長い場合や複数箇所に不具合がある場合は、修理よりも新品への交換を検討するとよいでしょう。
長期的に見れば、光熱費やメンテナンスコストを抑えられることも多いです。
新しいエアコンに交換する際の費用
・エアコン取り付け工事費用:10,000円~25,000円ほど
・取り外し工事費用:5,000円~10,000円ほど
・エアコン処分費用:1,000円~8,000円ほど
エアコンを取り付けるには、フロンガスの扱いや真空引きなどの専門技術が必要です。
専用工具の購入費もかかるため、知識や経験のない人が自力で作業するのは非常に難易度が高いといえます。
室外機の修理や新品エアコンの取り付けは、必ず専門の業者に依頼するようにしましょう。
6.まとめ|エアコンの室外機が動かないときは原因を見極め、適切な対応を
修理・交換の判断は使用年数と費用のバランスを見て行う
エアコンの室外機が動かない原因には、制御基板やファンモーターの故障、冷媒ガスの漏れなどさまざまな要因があります。 一見すると「室外機だけ交換すればいい」と思うかもしれませんが、室内機との互換性や経年劣化の影響を考えると、室外機だけの交換はおすすめできません。
まずは送風運転になっていないか、周囲に障害物がないか、リモコンのエラーコードが出ていないかなど、基本的な点を確認しましょう。
それでも改善しない場合は、内部部品の不具合や冷媒ガスの問題が考えられるため、無理に自分で修理せず、専門業者への相談が必要です。
修理費用は故障箇所によって大きく異なり、軽度なもので1万円前後、コンプレッサーなどの主要部品では10万円を超えることもあります。
また、使用年数が10年以上経過している場合は、修理よりも室内機とセットでの交換を検討したほうが、結果的にコストを抑えられるケースが多いです。
最近のエアコンは省エネ性能が高く、光熱費の節約にもつながります。無理に古い機種を直すより、長期的なランニングコストも含めて判断することが大切です。
不具合を感じたら早めに点検を依頼し、原因を正確に特定したうえで最適な方法を選びましょう。
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