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着物の染み抜きは自分でできる? 応急処置と対処法

公開日:2021.11.1 更新日:2024.4.4
着物の染み抜きは自分でできる? 応急処置と対処法

着物を着た後、ふと見ると染みが…なんてことはありませんか?大切な着物だから慌ててしまうのは仕方がないけれど、焦って自己処理をしてしまうと取り返しがつかないことになってしまう場合も少なくありません。大切な着物を台無しにしないためには「自己処理せず専門の業者にお願いすること」が大切です。 しかし、専門の業者にお願いすると料金もかかるし、小さな染みや汚れの場合はちょっともったいないと感じてしまいますよね。 そこで今回は、自分でできる染み抜きの方法を紹介いたします。

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1. 汚れの種類によっては自分でもできる!

染みは時間が経てば経つほど取れにくくなってしまいます。

シミのイメージ絵

着物の染み抜きは時間との勝負。できるだけ早く対処しましょう。しかし、自分でも取れそうだからと、洋服と同じ感覚で処理をしてしまったら、失敗する可能性が高くなってしまいます。自己処理する場合は、まずは染みの原因を分析し、原因によって対処することが大切です。

それでは、自分で処理できる染みはどんなものでしょうか?

一つは水溶性の染みです。着物を着て食事をした際にできたコーヒー、紅茶の染み、汗によってできる染みがこれに当たります。

もう一つは油性の染み。口紅やファンデーションなどでできた染みはこちらです。そして雨の日についてしまう泥はねの染み。

これらの場合は、染みがついてそれほど時間が経っていなければ自分で落とせる可能性が高い染みです。

逆に落ちない染みはというと、ワインでついた染みや、汚れが強かったり、時間が経ってしまったりした染みなどです。これらの場合は自分で下手に手をかけてしまうと、余計に落ちにくくなり、最悪の場合はプロにも落とせなくなってしまうかもしれません。

また、着物の生地によっては自己処理が難しい場合もあります。特に縮緬の着物や金箔などの加工部分、刺繍部分などは、下手に自分で処理するのではなく、プロにお願いする方が無難です。

2. 着物に汚れがついてしまった時の応急処置

いくら大切に着ていても、着物を着ての食事や外出には汚れの危険がいっぱい。

洋服にシミがついて驚いている女性の絵

ハンカチや手ぬぐいを上手に利用したり、雨コートや道中着、道行などを着用することで多少は防げますが、完璧に防ぐことはできません。

もしも着物を汚してしまった場合は、その汚れが何であったかを忘れないように、まずはメモとして残しておきましょう。自己処理が難しく、業者にお願いするにしても、汚れの種類がわかることで、より適切な処理を行うことができ、染みをきれいに取り除くためのヒントになります。

もしも着物に飲み物などをこぼしてしまった場合は、絶対に慌てないことが大切です。まずは落ち着いて、濡れたティッシュやタオル、手ぬぐいなどで汚れをそっと吸い取ります。この時、決してゴシゴシと強くこすらないことがポイント。強くこすると繊維にダメージを与えてしまうだけでなく、汚れを繊維に染み込ませてしまうことになるので注意が必要です。

また、「汚れが落ちやすそうだから」とお湯を使用しないこと。たんぱく質を含んでいる場合は、成分がお湯によって凝固してしまい、落としにくくなってしまいます。汚れた場合に使うのは、まずは水。これを忘れないでください。ある程度汚れを吸収したら、乾いたタオルで優しく水分を取り除きましょう。

出かけた先で飲み物をこぼして応急処置をする場合は、携帯用のウエットティッシュがあればとっても便利です。余計な香料や化学物資が入ったものを避ければ、とっさの時にも役に立ちます。ぜひカバンに入れておきたいですね。

もしもついた汚れが口紅やマジック、インクや朱肉などの場合は触らないことが鉄則です。慌てて処理しようとしても、汚れを広げてしまう悲しい結果に。この場合は、帰宅して、必要な道具を揃えられるまで触らずにいることが大切です。思わずゴシゴシとこすりたくなりますが、我慢することが着物を守る第一歩になります。

また泥はねも濡れた状態で触ってはいけません。泥が乾くまでは、触ったりこすったりしないようにしましょう。

3. 自分でできる着物の染み抜きのやり方

自宅で染み抜きを行うのならば、ついた汚れが水溶性や油性かによって処理が異なります。

洗剤をつけてシミを落としている絵

コーヒーや紅茶、果汁、ビール、汗によってついた汚れは水溶性です。水溶性の場合は、清潔なタオルやハンカチを数枚用意します。着物を広げたら、染みがついた部分の裏にタオルを敷き、水に浸して絞ったタオルやハンカチで染みをポンポンと叩きます。小さな染みには綿棒を使用してもいいですね。

この時、タオルから水滴が垂れるようなら濡らしすぎです。水滴が垂れると輪ジミになってしまいますので、濡らしすぎには注意しましょう。また、きれいにしたい気持ちからゴシゴシとこすってしまいがちですが、こするのは生地が傷むので厳禁です。ある程度汚れが落ちたら、きれいなタオルで濡れた部分を挟んで叩きます。

着物についた汚れが口紅やファンデーション、カレーやチョコレートなどの場合、その汚れは油性です。油性の染みを落とすには、リグロンやベンジンなどの石油系の染み抜き用剤を使用します。水溶性の染み抜きと同じく、汚れの裏側にタオルを当て、ガーゼやハンカチにたっぷりと溶剤を染み込ませたら、汚れを裏に敷いたタオルに移すように叩きます。下に敷いたタオルも、叩いているタオルも汚れてきますので、こまめに変えるのがポイントです。

また、溶剤が輪染みなってしまう場合もあるので、染みの外側から叩いて輪ジミをぼかすのも大切です。様子を見ながらトントンとリズミカルに処置するのが、仕上がりをきれいにするポイントとなります。

4. 染み抜きをした後の乾かし方

汚れが落ちたら、ドライヤーか当て布をしたアイロンで少しずつ乾かします。

ドライヤーの絵

ドライヤーを当てる場合は、温風ではなく送風(冷風)にして、外側から内側に向かってかけましょう。ドライヤーを温風でかけたり、送風口を着物に近づけ過ぎたりするのはNGです。

また、アイロンを使用する場合は、必ず当て布をして、スチームを使用せずにかけましょう。もちろん、グイグイ押しつけるのも厳禁です。

特に、金箔や刺繍、縮緬加工をしてある部分が近くにある場合は要注意。ダメージを避けるためにも、丁寧に少しずつ作業することをおすすめします。

5. 自分で染み抜きする際の注意点

着物に染みがついたら「一刻も早くどうにかしたい!」と焦ってしまいがちです。

着物を畳んでいる絵

大切な着物だからこその気持ちですが、焦って自己処理をしてしまうと状況はより悪くなってしまいます。慌てず、適切な処理をした後に、着物を脱ぎ、落ち着いて染み抜きを行うことが大切です。

また、着物の種類や染みの範囲、染みができた時期によっては、自己処理をするのではなく、プロにお願いするのが一番です。お金はかかってしまうけれど、着物を大切に着るためには必要な出費です。

無理して着物をダメにしてしまったのでは、元も子もありません。自分でできるかどうかをまずは判断して、無理をしないことが一番大切です。

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