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着物にアイロンはOK?正しい着物のアイロンがけ方法をご紹介

公開日:2022.3.31 更新日:2024.4.4
着物にアイロンはOK?正しい着物のアイロンがけ方法をご紹介

入学式や結婚式などの晴れの日に、仕舞っておいた着物を着ようと出してみると、思わぬしわができていたことはありませんか?今からではクリーニングも間に合わないし…と困ってしまいますよね。
そんなとき、他の衣類と同じように”アイロン”を使えばしわが取れるかもと考える方も多いはず。

そこでこの記事では、正しい着物のアイロンのかけ方についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

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1. 着物にアイロンがけはOK?

着物に熱を加えてはダメ!

着物にアイロンをかけている写真

一口に着物と言っても、その素材は正絹、麻、木綿、ポリエステルと様々です。また、金箔や刺繍など、繊細な加工が施されているものもあり、デリケートさもそれぞれです。

着物の中には、自宅で洗濯やお手入れができるような気楽な素材もありますが、基本的には着物に熱を加えることはNGです。
中でも正絹は非常にデリケートな素材なので、安易なアイロンかけはダメージを与えることになってしまいます。

「しわを取るためには、スチームアイロン」と気軽に考えてスチームを当てた結果、部分的な変色を引き起こしたり、シミなどの汚れが取れにくくなってしまう場合も…。
着物が高価であればあるほど、お気に入りであればお気に入りであるほど、そのリスクは高いかもしれません。

そのため、着物を着る数日前にはタンスから出し、着物ハンガーや衣紋掛にかけて日陰に干しておくなど事前の対処が大切になります。

しかし、着物にアイロンをかけるということは、着物専門のクリーニング店でも行っていることなので、全くできないわけではありません。
正しい手順で注意しながら行えば、着物へのダメージを最小限にしながらしわを取ることができます。

2. 効果的なアイロンのかけ方①部分的なしわの場合

あて布をして、着物とアイロンが触れないように気を付けましょう!

アイロンを持っている女性の写真

着物にアイロンをかける場合、素材を問わずアイロンを直接当てないように注意しましょう。
安易にスチームアイロンを使用すると、蒸気で絹を縮めてしまう可能性があります。
家庭用のアイロンは意外にも温度が高いもののため、変色の原因にもなりますので、絶対に直接触れさせないようにしましょう。

まずは、着物のしわのある部分をアイロン台の上に置きます。
次にしわの気になる部分に当て布をおきましょう。当て布は色移りのトラブルを避けるためにも、白いものがおすすめです。

アイロンの温度は中温~高温。「絹」という設定があればそこに設定し、ドライモードにします。
しっかりと温まったら、ぐっと抑えつけるのではなく、軽く繊維に沿って小刻みに動かしながらかけます。素早く行うのがコツです。

しわがしっかりとついてしまっている場合は、当て布を水で濡らして絞ったものや、濡れタオルで全体を叩いて湿らせた半紙をしわの上に置いてアイロンをかけます。
この時に、当て布や半紙が濡れ過ぎないように注意しましょう。
霧吹きで当て布や半紙にスプレーするのもおすすめですが、その際は着物から離した場所で行いましょう。

しわが気になるからと、思わず直接スプレーしたくなりますが、着物の輪ジミの原因や変色の原因になってしまいます。また濡れた絹に熱を加えると、素材の特性で縮んでしまいますので、絶対にやめましょう。

3. 効果的なアイロンのかけ方②全体のしわの場合

着物全体にアイロンをかける場合は、着物の縫い目に注意!

着物にアイロンをかけようとしている女性の写真

しわが全体に及んでいる場合は、まずは着物の裏側の裾の方からアイロンを始めましょう。

裾の線が歪まないよう、縫い目と折り目を垂直に保ちながらアイロンをかけていきます。この場合も強く当てるのではなく、軽く繊維に沿って当てていきます。

アイロンをかける順番は、裾から身頃、身頃から衿に向かってかけていき、最後に衿の部分にアイロンをかけます。
かけ終わったら、一旦ハンガーに吊して、全体をチェックします。生地の縮みや、たるみをチェックしたら、気になる部分を再度アイロンで整えます。

裏側が終了したら、次は着物の表側。
当て布をし、刺繍や箔がある場合は、その部分に注意しながらかけていきます。時々ハンガーに吊し、全体のチェックをすることを忘れずに。

また、着物全体にアイロンをかける場合は、着物の縫い目に注意しましょう。
着物は縫い目を隠し、出来上がりを美しく整えるために、縫い線の通りにおらずにあまりを持たせて縫ってあります。
この部分をアイロンでつぶし過ぎてしまうと、着物のふんわり、はんなりとした雰囲気が損なわれてしまいます。

洋服にアイロンをかける時のような気持ちで、縫い目にビシッとアイロンをかけてしまうと、着物ならではの美しさがなくなってしまいますので、注意しながらかけましょう。

4. アイロンを使わずに着物のしわを取る方法

着物の一番簡単なしわ取りの方法は、吊すことです。

干している着物の写真

着ることでついたしわは、一晩吊すことで随分と目立たなくなります。
また、市販のしわ取りスプレーなどの使用も良いかもしれません。もちろん、薬剤なので成分には十分に注意しましょう。
和装衣類専用のスプレーも市販されていますので、呉服屋などで相談して購入するのも良いですね。
中には静電気防止や防水などの効果があるものもありますので、用途に合わせて使用すると良いでしょう。
ただし、試す時はまずは目立たない場所に使用することが鉄則です。

そして、何よりも安心で楽なのは専門の業者に頼むことです。
お金がかかってしまいますが、大切な着物を守るために、実は一番手軽で安心な方法です。自分で無理をして、着物をダメにしてしまっては元も子もありません。
手軽にできる方法を試してみてもうまくいかない場合は、無理をせずにプロにお任せするのも大切です。

5. 着物にしわがつかないための工夫

着物のしわを減らすための最大の工夫は、着物をきれいに畳み、きれいにしまうことに尽きます。

タンスに収納している着物の写真

着物をきれいに畳むコツは、着物の縫い目に沿って畳むことのみ。最初は難しいかもしれませんが、手順がわかれば簡単です。
丁寧に畳んだら畳紙に入れ、タンスや桐の箱に余裕を持ってしまいましょう。
ぎゅうぎゅうに入れてしまうと、上下からかかる圧力で着物にズレが生じてしまい、思わぬしわの原因になってしまいます。

また、脱いだ後に衣紋掛やハンガーにかけて、しばらく吊しておくことも大切です。
疲れていて面倒だからと適当にしておくと、思わぬ場所にしわがついてしまいます。和装ハンガーなら、着物や長襦袢、帯や帯締めなども簡単にかけられますので利用すると良いでしょう。

また、吊しておくことは、汗による変色の予防にも有効です。脱いだ後の一手間も大切にして、着物のダメージを最小限にしたいものです。

現代では日常的に着物を着る人は少なく、晴れの日のとっておきの一枚に着物を着る人が多いように思います。
せっかくのワクワクした気分が、着物のしわで台無しにならないよう、余裕を持って準備したいものです。

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