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宗教別の葬儀について紹介しますvol.2

公開日:2023.7.19 更新日:2024.4.12
宗教別の葬儀について紹介しますvol.2

近年では 外国人居住者や考え方の多様性により、仏教や神道だけでなくさまざまな宗教を信仰されている方が増えています。それにより、葬儀に関しても仏式以外に参列する必要に迫られることも・・・。
仏教であればある程度共通している部分がありますが、カトリック教会やプロテスタントとなると全く違ってきます。失礼のないように、事前にマナーなどを把握しておくことが求められます。

そこで今回は、「カトリック教会」「プロテスタント」「天台宗」「天理教」について、分かりやすく解説していきます。ぜひ参考にしていただければ幸いです。

カトリック教会について紹介します

カトリック教会の信者は世界で13億人以上!国内でも44万人以上で存在します

花束の写真

キリスト教を知らない方にとっては、カトリックとプロテスタントの違いが全く分からないと思います。

カトリックの考え方を簡単に説明すると、一番に神様(イエス・キリスト)、二番に教皇、三番に聖書(新約聖書)となります。
つまり一番偉いのはイエス・キリストで二番目に偉いのが、神の啓示を受けている教皇や聖職者という事です。ちなみに教皇とはローマ法王のことです。

カトリックでは、一般の信者にとって聖職者からの言葉は絶対です。これは葬儀の場でも表れており、正式なミサと一般的な告別式を完全に分けて行っています。それだけミサは格式が高い儀式だという事です。

また、善行を奨励しているのもカトリックならではです。悪い人でも良い行いをすれば救われるとされており、教会への寄付やボランティアを推奨しています。

ここまでカトリックをひとくくりにして説明しましたが、実際には日本国内だけでも数十の宗派に分かれています。一般的に使用されているカトリックとはローマ・カトリックのことです。この宗派は比較的戒律も厳格ですので、葬儀に参列する際はマナーに違反しないように注意が必要です。

また、カトリックでの葬儀を希望される方は事前に洗礼を受けておく必要があります。

プロテスタントについて紹介します

プロテスタントでは全ての信者が平等!権威性・偶像崇拝は禁止です

白いユリの花の写真

西暦1517年ルターの抗議により確立された宗派がプロテスタントです。
汚職の温床だったカトリック教会に反する形で独立していますので、おなじキリスト教でも、全く別の宗教といっても過言ではありません。
呼び名もカトリックの神父様に対し牧師先生、聖歌に対し賛美歌と言います。

プロテスタントで禁止されている行為が集団形成、権威性、偶像崇拝です。そのため、プロテスタントの葬儀では遺影を飾ることを禁止していることが多いです。

一方で、カトリックとは違い全ての信者は平等であるという考え方ですから、洗礼を受けていなくても葬儀を希望することができます。

それ以外の違いとしては、神父が結婚NGなのに対して、牧師は婚姻OKです。また、カトリック教会では信者の離婚はNGなのに対して、プロテスタントでは離婚は自由などの点が挙げられます。

プロテスタントの考え方をすごく簡単に説明すると、自身で聖書を読んで考えて行動しなさいということになります。

先ほど遺影が禁止と紹介しましたが、国内に限っては認めている教会もあるようです。プロテスタントの葬儀は全員参加というイメージですから、初めての方も気負わずに参列することができます。

カトリックとは違いプロテスタントに対応している葬儀社や教会の数も多いので、比較検討できる点もこの宗派で行うメリットです。

天台宗について紹介します

天台宗は西暦806年に最澄によって唐から持ち込まれた宗派です

白い菊が使われた仏花の写真

この宗派が成立したのは今から約1200年前と歴史が古く、浄土宗や浄土真宗、日蓮宗などの母山と言われています。

密教とは違い、出家や在家などにこだわりがありません。誰でも悟ることができるというのが天台宗のスタンスとなっています。

最澄が天台宗を成立させるまで、仏教の世界は限られた高貴な方々だけのものでした。それを大衆にも分かりやすく、噛み砕いて教えていたのが最澄です。

全ての人は仏になることができるという事ですから、それまでの教えとは全く異なります。その代わりといってはなんですが、唐からの教えを忠実に守っていますから儀式が多く葬儀時間がとにかく長いです。そのため、天台宗の葬儀や通夜式に参列される方は、時間に余裕を持って行動して下さい。

また、天台宗が他宗派と大きく違う点として、特定の本尊を祀っていないことが挙げられます。 例えば、真言宗なら大日如来、曹洞宗は釈迦如来、浄土宗は阿弥陀如来など、大まかに本尊が指定されているのですが、天台宗に至っては全くの自由です。

だからこそ天台宗の総本山である比叡山延暦寺で学んだ日蓮や法然、親鸞、道元などの僧が、数々の宗派を生み出したと考えられます。葬儀に関しても現在の方式の基礎となっている宗派といえます。

天理教について紹介します

天理教は江戸時代末に成立した仏教でも神道でもない独自の宗派です/p>

白い菊の写真

この宗派の葬儀に関して紹介する前に、そもそもの興りについて簡単に紹介します。

天理教は江戸時代末の西暦1838年に教祖・中山みきによって成立した宗派です。奈良県天理市にある「ぢば」を聖地としています。ちなみに宗教団体の名前が自治体名となっているのは国内では天理教だけです。それだけ信者の数も多いという事でしょうね。

天理教のメインの教えは「陽気ぐらし」。「陽気ぐらし」とは世界中のみんなが助け合って仲睦まじく生活するということです。経典は教祖直筆によるおふでさきと天理教教典となっています。

1970年までは教派神道の一派とされていたので、葬儀に関しても神道のイメージが色濃く残っています。全国各地にある教会は全て奈良県天理市の方角を向いていることも、その他の宗教には見られない特徴です。

また、人間の体は神様からの借り物と考えており、死後は新しい人生をリスタートするとされています。

だからこそ、この宗派の葬儀で重要視されているのが、お通夜である「みたまうつし」です。しっかりと儀式を行うことで魂を神様の元へ送り届け、新たな体が見つかった時に再び生まれることができるようにします。

それと、天理教では、親兄弟や親戚、地域の方々とのつながりを重視していますから、みたまうつしや告別式の後に必ず食事会を催します。

宗教別の葬儀情報まとめvol.2

宗派別葬儀に関連するさまざまな情報のまとめとポイントのおさらい

祭壇の前に置かれた仏具の写真

今回は仏教の宗派だけでなくカトリックやプロテスタント、天理教などの情報をお伝えしてきました。

これらは仏式とは全く違う点が多いので、執り行う際は注意が必要です。もしそのような葬儀に参列される時は、必ず周囲の詳しい方に相談するか、インターネットなどで事前にマナーなどをチェックして下さい。そして葬儀で一番大切なのは、故人を弔う気持ちと葬儀社の選び方です。亡くなった方にとっては一生に一回のことですから、なるべくいい葬儀にしましょう。

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