水道局指定工事店とは？工事を依頼する前に知っておくべきポイントを解説

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1.水道局指定工事店とは？

厳しい基準をクリアして、各自治体の水道局に正式に認可された事業者のこと

水道局指定工事店とは、「給水・排水工事を適切に行える業者」として各自治体の水道局に認可された事業者のことを指します。
正式には「指定給水装置工事事業者」（上水道）や「指定排水装置工事事業者」（下水道）といいますが、一般的には両者とも「水道局指定工事店」と呼ばれることが多いです。
ちなみに、給水装置とは建物に水を供給するための設備のことで、排水装置とは建物から水を排出するための設備です。

水道局指定工事店として認定されると、その地域での水道工事を行う資格を得られますが、どの事業者でも簡単になれるわけではありません。
指定を受けるためには、全国共通の指定要件を満たし、その上で各自治体の水道局に申請を行う必要があります。

■指定給水装置工事事業者とは？
指定給水装置工事事業者とは、給水区域において上水道工事を適切に行えると水道局から認定された業者のことです。
この資格は、水道法に基づく指定給水装置工事事業者制度により設けられています。認定を受けるには、以下の3つの要件を満たし、申請して受理される必要があります。

①「給水装置工事主任技術者」という国家資格を持つ人物を1名以上配置すること
この資格を持った人の監督のもとでしか、給水装置工事を実施することはできません。

②給水装置工事に必要な機材や器具を所有していること
各自治体で確認の方法は異なりますが、一般的には、所定の機材や器具の写真を提出して確認することが求められます。

③欠格要件に該当しないこと
これは、事業者が不正行為や不誠実な対応を行うリスクがないことを確認するための条件です。これらの要件を満たした上で、必要な書類と手数料を添えて申請します。

また、指定給水装置工事事業者以外が給水装置工事を行うことは法律で禁じられているため、上水道に関する工事やトラブル対応は、必ず指定業者に依頼する必要があります。

ただし、指定給水装置工事事業者が工事を行えるのは、その事業者が指定を受けた地域に限られます。工事を依頼する際は、その事業者がご自身の居住地域で認定されているかどうかを、事前に必ず確認するようにしましょう。

■指定排水装置工事事業者とは？
指定排水装置工事事業者とは、排水装置工事（下水道工事）を適切に行えるとして水道局から認定された業者を指します。
給水装置が上水道の水を供給する装置であるのに対し、排水装置は汚水を公共の下水道に流すための設備を指します。

指定排水装置工事事業者も、指定給水装置工事事業者と同様、一定の要件を満たした上で申請し、認定を受ける必要があります。
指定排水装置工事事業者になるための要件は以下の4つです。

①営業所ごとに「指定設備工事責任技術者」という資格保持者を1名以上配置すること
この資格は排水設備工事の専門知識と技術を持つことを証明するもので、排水設備工事における監督者の役割を担います。

②指定を受けたい都道府県内に営業所を構えていること
排水設備工事を行うためには、その地域の特性や下水道設備についての知識が重要であるため、地域に根ざした営業所を持っていることが条件です。

③排水設備工事に必要な機材や資材を所有していること
各自治体で確認方法は異なりますが、必要な機材や資材が揃っているか、書類や写真の提出などで確認されます。

④欠格要件に該当しないこと
指定給水装置工事事業者と同様に、事業者が過去に不正行為を行っていないことや、信頼性のある経営を行っているかどうかを確認するための条件です。

これらの要件を満たした後、必要な書類と手数料を添えて申請を行い、受理されることで指定排水装置工事事業者として認定されます

2.水道局指定工事店と非指定工事店の違いは？

対応できる業務の範囲が違う

水道局指定工事店ではない業者は「非指定工事店」と呼ばれます。この二者の最大の違いは、対応できる工事の範囲です。
水回りのトラブルには簡単な部品交換だけで済む場合もあれば、複雑な大規模工事が必要なケースもあります。
水道局指定工事店はどのようなトラブルにも対応可能ですが、非指定工事店には対応できない制限が存在します。

非指定工事店が対応できるのは、基本的に素人でも可能な簡易な作業に限られます。
例えば、給水管や水栓に関する作業であれば、パッキンの交換や蛇口の取り替えといった簡単な作業が主な範囲です。
排水設備に関する作業では、トイレの交換や清掃、軽度な水漏れや詰まりの修理といった排水設備に関わらない簡単な作業のみ対応できます。

一方で、専門的な知識や高度な技術を要する給水設備や排水設備の新設・改造・増設・撤去などの工事を行えるのは、指定工事店だけです。トイレの汲み取り式から水洗式への改造も指定工事店しか行えない作業のひとつです。
たとえどんなに知識や技術があったとしても、非指定工事店が水道局指定工事店が許可された工事を行うことは違法となります。

また、指定工事店でしか作成できない書類も存在します。水道料金の減免申請に必要な書類をはじめ、自治体に提出する各種書類は、水道局指定工事店でなければ作成できません。書類の名称や内容は自治体ごとに異なる場合がありますが、代表的な書類として以下のものがあります。
・修繕証明書
・修理完了報告書
・修理証明書
・使用水量査定申請書
・漏水修理証明書
・漏水修繕証明書
・漏水修理工事の施行証明書
・漏水修繕工事報告書
・漏水料金減免申請書
・水道料金等減免申請書兼修繕証明書
・水道料金減額申請書
・水道料金等減免申請書
・水道料金軽減申請書
・給水装置修繕証明書
・給水装置修繕報告書　など

このような書類を発行したい場合は、必ず水道局指定工事店に依頼することが必要です。

3.水道局指定工事店に依頼するメリット

技術力や信頼性が高さが証明されている！

水道局指定工事店に依頼するメリットは多くあります。

まず、最大のメリットは技術力と信頼性が保証されていることです。
指定工事店は、法律に基づいた厳しい基準をクリアしているため、質の高い工事を行えることが確実です。
特に、新築やリフォームなど大規模な工事においては、経験豊富な技術者が施工にあたるため、安心して任せることができます。

また、工事後の保証やアフターケアが充実している点も大きなメリットです。
万が一、工事後に不具合が生じた場合でも、指定工事店は迅速に対応し、必要な修理や補償を行います。このような手厚いサポート体制は、一般の工事業者にはない魅力です。

さらに、水道局指定工事店は地元の自治体との連携が強いため、地域の特性や法律に合った施工を行えるのも安心材料です。

その他、指定工事店に依頼することで、違法工事や手抜き工事のリスクを避けることができるという点も見逃せません。
水道工事は法律によって厳しく規制されており、これに違反した工事は後々大きな問題を引き起こす可能性があります。
水道局指定工事店に依頼することで、これらのリスクを回避し、安全で確実な工事を依頼できるのです。

4.水道局指定工事店を選ぶ際の注意点

水道局指定工事店であっても、事業者ごとに費用やサービス内容などは異なるので注意！

水道局指定工事店を選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。

まず、事業者の実績を確認することです。
過去の施工事例やお客様からの評判を調べることで、その事業者が信頼できるかどうかがわかります。
また、公式ウェブサイトや口コミサイトでの評価も参考にすると良いでしょう。特に、施工後のトラブル対応やアフターサービスについての評価は、依頼前に確認しておきたいポイントです。

次に、料金の透明性です。
水道工事は、その規模や内容によって費用が大きく変動することがあります。見積もりを複数の事業者から取り、料金の内訳をしっかりと確認しましょう。追加費用が発生しないよう、契約前にしっかりと確認することが大切です。

また、工事後の保証内容も確認しておくべきです。
指定工事店であっても、保証やアフターケアの内容は事業者によって異なるため、保証期間や対応範囲についても事前に確認しておきましょう。

最終的には、自分自身で納得をした事業者を選ぶことで、安心して水道工事を依頼することができます。

5.まとめ

水道局指定工事店を賢く利用しよう

水道局指定工事店は、信頼性と技術力が保証された水道工事業者です。
新築の給水工事やリフォーム、緊急の水道トラブルにも対応できる幅広い業務を提供しており、依頼者にとって安心感をもたらします。さ
らに、工事後の保証やアフターケアが充実していることも大きな利点です。

指定工事店を選ぶ際には、過去の実績や料金の透明性、保証内容などを確認し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。これらのポイントを押さえておくことで、安心して水道工事を依頼でき、長期的に安全で快適な水道設備を維持することができます。

水道工事を依頼する際は、ぜひ指定工事店に依頼して、確実で安全な施工を実現しましょう。

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