駆除して良いネズミは3種類のみ
家庭内で見かけるネズミはすべてが駆除対象になるわけではありません。日本では多くのネズミの仲間が確認されていますが、住宅で問題となり駆除できるのは、「家ネズミ」と呼ばれる以下の3種類に限られます。
これらは鳥獣保護管理法の対象外のため駆除が可能ですが、それ以外の野ネズミは、農業や林業への被害がない限り原則として駆除の対象にはなりません。
そのため、まずはラットサイン(ネズミが家に侵入した際に残る汚れやフン、尿、かじり痕など)や糞尿などの痕跡を手がかりに種類を見極めることが、ネズミを駆除するうえでの第一歩になります。
参照元:「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」:e-GOV
ドブネズミの見極め方
ドブネズミは床付近や水まわりを中心に活動する、体長200〜300mm前後と駆除対象となる3種類の中では大型のネズミです。湿気のある場所や食べ物に近い場所を好む傾向があり、シンク下や排水まわり、床下での活動が多く、比較的大胆に動きます。
低い位置での物音や水回り周辺の被害がある場合はドブネズミの可能性を疑いましょう。
駆除する場合は、床沿いに粘着シートを設置すると効果が出やすい傾向がありますが、ドブネズミは行動範囲が地面に近いため、対策も「低い位置」を意識することが重要です。
ハツカネズミの見極め方
ハツカネズミは体長が80mm前後と非常に小型で、わずかなすき間から侵入する特徴があります。小さな糞尿や細かいかじり跡などのラットサインがある場合はハツカネズミの可能性を疑いましょう。
ハツカネズミは体が小さいため侵入口が極端に狭く、見落としやすいため注意が必要です。例えば、家具の裏や収納内部、壁際のすき間から出入りしているケースが多く見られます。
繁殖力が高いため、少数でも放置すると一気に増えるリスクがあるのも特徴です。小さな穴でも侵入口になるため、侵入口の封鎖対策を徹底しましょう。
クマネズミの見極め方
クマネズミは運動能力が高く、天井裏をはじめとした高い場所を移動します。体長は15〜25cmあり、ドブネズミと比較すると尻尾が胴体よりも長いのが特徴です。
クマネズミは垂直行動が得意で、天井裏の柱や木材、配管を伝って移動する習性があるため、天井からの足音や夜間の物音などのラットサインがある場合はクマネズミの可能性を疑いましょう。
また、学習能力が高いうえに警戒心が強く、粘着シートや捕獲器にかかりにくかったり、殺鼠剤に抵抗性があったりする個体もいます。通り道の特定と環境改善を組み合わせて対策することが重要です。
ネズミを駆除する方法
ネズミを駆除する方法はいくつかあり、ネズミが発生している場所や被害の状況に合わせて使い分ける必要があります。ひとつの対策だけに頼ると効果が出にくく、行動範囲や生息場所を踏まえて複数の方法を組み合わせることが重要です。
粘着シートを使う
粘着シートは通り道に設置して捕獲する方法で、動線が把握できている場合に高い効果を発揮します。ネズミは同じルートを繰り返し通る習性があるためです。
設置する際は、壁際や家具の裏、配管に沿った場所など、糞尿や足跡といったラットサインが見られる場所に沿って複数枚並べるのが基本です。通り道が複数ある場合は、1ヶ所に集中させるより分散して設置したり、通り道をふさぐように配置したりすることで、捕獲率が高まります。
逆に、部屋の中央など動線から外れた場所に粘着シートを置いてしまうとほとんど効果が出ません。また、ホコリや湿気が多い場所では粘着力が落ちるため、設置前に軽く清掃しておくと安定して使えます。
粘着シートは最初から粘着面を出して設置すると警戒されることがあるため、まずは粘着面を覆った状態で置いてから使用すると捕獲しやすくなる傾向があります。
捕獲器を使う
捕獲器は物理的にネズミを捕まえる方法で、適切に設置すれば繰り返し使用できます。ネズミの通り道がわかっている場合に有効です。設置場所は、壁際や物陰などネズミが移動しやすいルートに合わせるのが基本であり、エサを使うタイプの場合は、ピーナッツバターなど匂いの強いものを使うと反応が良くなることがあります。
主にドブネズミに有効ですが、警戒心が強い個体は近づかないこともあり、設置位置がずれていると効果が出にくくなります。粘着シートと併用しながら、通り道を絞り込むことが重要です。
殺鼠剤(毒エサ)を使う
殺鼠剤はネズミに食べさせることで駆除する方法で、広範囲を移動する個体にも対応しやすい手段です。目に見えない場所に潜んでいる場合でも効果が出やすい傾向があります。
設置する際は、壁際や家具の裏など、ネズミの通り道に沿って配置します。一カ所に大量に置かずに少量ずつ複数のポイントに置くのがポイントです。
また、毒エサ以外の食べ物が残っていると食べられにくいため、事前に食品やゴミは片づけておきましょう。
ただし、天井裏や壁の中で死骸が残ると回収が難しく、悪臭や衛生トラブルにつながることがあります。設置場所や使用範囲には注意が必要です。さらに、ペットや乳幼児の誤食には十分に気を付けましょう。
殺鼠剤が効かないスーパーラットとは?
現代には、殺鼠剤の毒が効かないスーパーラット(クマネズミ)が存在します。市販のワルファリン系薬剤では作用が見込めない、プロへの依頼が駆除の近道です。
忌避剤(きひざい)を使う
忌避剤はネズミが嫌うにおいを利用して近づきにくくする方法で、侵入を防ぐための補助的な対策として使います。すでに棲みついている場合は、これだけで追い出すのは難しいためです。
設置する場所は、通気口や玄関まわり、配管のすき間など、侵入が疑われるポイントが基本です。においが広がる範囲を意識して、複数箇所に分けて配置すると効果が出やすくなります。
一方で、室内にエサや巣材が残っている状態では、においよりもそちらを優先して居つくことがあります。忌避剤だけに頼るのではなく、エサの管理や侵入口の封鎖とあわせて使うことが重要です。
超音波発生器を使う
超音波発生器はネズミが嫌がる音を出して寄りつきにくくする機器ですが、環境によっては十分に音が届かないため、単独での駆除効果は限定的です。
設置する際は、家具や壁に遮られにくい位置を選び、ネズミの通り道に向けて設置することがポイントです。複数台を使ってカバー範囲を広げることで、効果を感じやすくなる場合もあります。
ただし、エサや巣が残っている状態では効果が弱まるため、あくまで補助的な対策として使い、他の方法と組み合わせて対策することが重要です。
関連記事:ネズミ駆除はドラッグストアのアイテムで手軽にできる?お得に業者に依頼する方法も解説
ネズミ被害を再発させない方法
ネズミは一度駆除しても、侵入できる状態が続いていると再び侵入し被害をもたらします。そのため、駆除だけで終わらせず、再発防止まで含めて対策を行うことが重要です。
具体的には以下の対策が必要になります。
- 侵入口をふさいで新たに入らせない
- ネズミの習性を踏まえて戻りにくい環境を整える
- エサになりうる食べ物をしっかり収納する
- 死骸や糞尿は安全に処理する
それぞれ詳しく解説します。
侵入口をふさいで新たにネズミを入らせない
ネズミを駆除するうえで最も重要なのが、侵入口を確実にふさぐことです。外からネズミが入り続ける状態では、いくら駆除しても被害は繰り返されてしまいます。
侵入口になりやすいのは、主に以下の場所です。
- 配管まわりのすき間や通気口
- エアコンの配管穴
- 床下や外壁のすき間
これらは目立たない場所にあるため、どこからネズミが侵入しているのかは糞尿や足跡といったラットサインを手がかりに絞り込みます。
封鎖する際は、かじられにくい金網やパンチングメタル・防鼠ブラシなどを使うことが重要です。柔らかい素材だけでふさいでも、再びかじられて侵入されることがあります。直径1〜2cm程度のすき間でも侵入されるため、小さな穴でも見逃さないことが重要です。
関連記事:ネズミの侵入経路はこう塞ぐ!隙間の見つけ方と塞ぎ方を徹底解説
ネズミの習性を踏まえて戻りにくい環境を整える
ネズミを駆除した後も環境が変わらなければ、再びネズミが侵入し被害が発生する可能性があります。ネズミはエサと隠れ場所がある環境に定着します。そのため、住みにくい状態に変えることが再発防止につながります。
具体的な対策は以下の通りです。
- 段ボールや布類など巣材になるものを減らす
- 壁際や家具の裏に物を溜め込まないように整理する
- 隠れる場所や移動ルートを減らす
また、ネズミは警戒心が強く、人の気配が少ない場所を好みます。長期間使っていない部屋や収納スペースは定期的に開けて換気し、動きのある環境を保つことも効果的です。環境改善は一度で終わらせず、継続することで、ネズミ被害を防ぎましょう。
エサになりうる食べ物をしっかり収納する
ネズミは食べ物がある場所に定着しやすいため、エサとなる食べ物の管理を徹底することが再発防止の基本になります。
食品は袋のまま放置せず、密閉容器に入れて保管することが重要です。特に米や乾物、ペットフードは被害にあいやすいため注意しましょう。また、生ゴミも放置せず、フタ付きのゴミ箱を使用することでにおいを抑えられます。
見落としやすいのが、キッチン以外の場所に置かれた食べ物です。部屋に持ち込んだお菓子や飲み残しもネズミの餌になり得るため、生活全体で管理する意識が求められます。
死骸や糞尿は安全に処理する
ネズミの死骸や糞尿には細菌だけでなく、ダニやノミが付着していることがあるため、処理は慎重に行う必要があります。作業時は手袋とマスクを着用し、直接触れないようにしましょう。
なお、死骸の周囲にあらかじめ殺虫剤を吹きかけておくと、ダニやノミの拡散を抑えやすくなります。その後、新聞紙などで包んでビニール袋に入れ、しっかり密閉して処分することが重要です。
無理に素手で触ったり、周囲の汚れを放置したりすると被害が広がるおそれがあるため、周辺もあわせて処理しましょう。対応に不安がある場合は、無理をせず専門業者に相談しましょう。
ネズミ駆除を専門業者に相談する判断基準
ネズミを駆除する場合は自力で対応できるケースもありますが、状況によっては無理に駆除を行うことで被害が長引いたり、見えない場所で問題が広がることもあります。安全かつ確実に対処するためには、専門業者に依頼する判断も重要です。
特に、以下に当てはまる場合は迷わず業者への対応を依頼しましょう。
- 天井裏や壁の中まで入り込んでいる場合
- 対策しても被害が減らない場合
- 死骸を見たくない場合
- 再発防止まで任せたい場合
それぞれ詳しく解説します。
天井裏や壁の中まで入り込んでいる場合
ネズミが天井裏や壁の内部に入り込んでいる場合、自力での駆除は難しくなります。ネズミが見えない場所を移動するため、正確な生息位置や通り道を把握しづらいためです。
天井から足音がする、壁の中で物音が続くといった場合は、すでに内部に巣を作っている可能性があります。この状態で粘着シートなどを室内に設置しても、十分な効果が出ないことが多いです。
業者であれば、点検口から内部を確認したり、専用の資材を使って駆除と侵入口封鎖を同時に行えます。見えない場所での被害は放置すると広がりやすいため、早めに相談することが重要です。
対策しても被害が減らない場合
複数の対策を試してもネズミ被害が改善しない場合は、原因の見極めができずに、根本的なネズミ対策が取れていない可能性があります。
特に、侵入口が残っている状態では、外から新たなネズミが入り続けるため、駆除しても被害が減りません。こうしたケースでは、部分的な対策ではなく全体の状況を把握する必要があります。
何度対策しても被害が減らない場合は、業者に依頼することでラットサインをもとに侵入口や通り道を特定し、より確実にネズミを駆除することができ、再発防止も可能になります。ネズミ駆除を根本的に解決したい場合は、自己判断で続けるよりも、業者を頼った方が結果的に早く解決するケースも少なくありません。
死骸を見たくない場合
ネズミを駆除する際は、捕獲後の処理が負担になることがあります。特に粘着シートや捕獲器を使用した場合、死骸の処理を避けることはできません。
死骸には細菌やダニ、ノミが付着している可能性があり、適切な装備や手順で対応する必要があります。また、処理に慣れていない状態で無理に行うと、衛生面でのリスクや精神的な負担につながることも考えられます。
ネズミを駆除したいものの、死骸を見たくないという場合は、業者に依頼すれば死骸の回収から処分まで一括して対応してもらえるため、こうした負担を避けることができます。
再発防止まで任せたい場合
ネズミを駆除するだけではなく、再発を防ぎたいという場合も業者依頼がおすすめです。
特に外壁のすき間や床下、通気口などは見落としやすく、完全にふさげていないと再びネズミに侵入される原因になります。また、環境改善も継続して行う必要があるため、その分手間がかかります。
業者であれば、侵入口の封鎖や再発防止策まで含めて一括で対応できるため、長期的に見ると効率的です。再発を繰り返している場合は、早い段階で相談することが結果的に負担を減らすことにつながります。
ネズミ駆除は侵入口と通り道を分けて対策することが重要
ネズミは捕獲だけを行っても根本的な解決にはなりません。通り道で捕まえる対策と、外から入らせない侵入口対策を分けて進めることが重要です。
粘着シートや捕獲器などは、糞尿や足跡といったラットサインをもとに通り道へ設置することで効果が出やすくなります。
侵入口対策としては、配管まわりや通気口、外壁のすき間などを確認し、かじられにくい資材でしっかりふさぐことが再発防止につながります。
また、エサになる食べ物の管理や巣材になる物の整理など、環境を見直すことも欠かせません。これらを組み合わせて進めることで、ネズミが居つきにくい状態を作ることが可能です。
自力で対応が難しい場合や被害が広がっている場合は、無理をせず専門業者に相談することも選択肢のひとつです。侵入口と通り道の両方に対処することが、ネズミを駆除する際の重要なポイントになります。