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車のフロントガラスにつく霜の対処法とは?

公開日:2022.2.3 更新日:2024.4.3
車のフロントガラスにつく霜の対処法とは?

寒い冬の日、朝起きて車に乗ろうとしたらフロントガラスに霜が降りていたことはありませんか?フロントガラスが霜で見えなくなると車の運転ができません。

忙しい朝に霜に悩まされないよう、このコラムでは車のフロントガラスについた霜の対処法をご説明していきます。
霜とは何なのか、霜が降りる原因は何なのか、霜が降りないようにする事前対策や、霜が降りてしまったときの対処法を順番に見ていきましょう。

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1. 霜が降りる原因とは

霜が降りている状態とは、ガラスが凍結している状態ということです。

植物に霜が降りている写真

霜を触ってみるととても冷たく固まっているため、もしかしたら氷や雪と勘違いする人もいるかもしれません。実際は、霜は氷でも雪でもなく、昇華によって凍って固体へと変化してしまった空気中の水蒸気です。ちなみに、昇華とは液体の状態を経ることなく、気体から固体へと状態変化が起こることを言います。

では、なぜ昇華が起こって霜が降りてしまうのでしょうか?昇華が起こりやすい条件として、放射冷却があります。放射冷却とは、日中に太陽光で温まった地上の熱が上空へと昇って放出され、地上部の温度が下がることを言います。

地上部が冷却されることで低温になり、空気中の水蒸気が昇華して固体化します。固体化した水蒸気が霜となって車のフロントガラスに付着することで、「霜が降りる」状態となります。

このように、霜が降りるのは放射冷却による、空気中の水蒸気の昇華が原因と言うことができます。

2. 霜が降りやすくなる条件とは

どのような条件がそろえば車のフロントガラスに霜が降りるのでしょうか?

フロントガラスに霜が付着している写真

まず一つ目の条件は冬晴れの翌朝です。雲のない晴れた日には地上の熱が上空へと昇り、地上の冷え込みがひどくなります。そのため、放射冷却が起こりやすい冬晴れの翌朝は霜が降りやすくなります。その反面、雲が多ければ地上の熱が上空へと放出される際に雲が遮る役目を果たし、冷え込みは厳しくならないため霜が降りにくくなります。

次に、風が非常に弱いこと。風が強いと空気がかき混ぜられるため、地上の熱が上空へと放出されにくくなるのと同時に、水蒸気もかき混ぜられるため結晶化しにくくなります。その結果、地上の温度が下がらないため霜が降りにくくなります。逆に風がなかったり弱かったりする場合、放射冷却が起こって水蒸気が結晶化しやすくなります。

さらに、湿気が多いのも霜が降りやすい条件です。空気中の水蒸気が霜になるため、夜露でぬれるような湿度の高さで放射冷却が起これば、結果として霜が降りることになります。

また、1日で気温が一番低くなる時間帯、深夜から朝方の気温が4°を下回る場合も霜が降りやすい条件となります。気温が4°以下であれば地面は氷点下になりやすく、空気中の水蒸気が結晶化し、霜が降りるようになります。

3. フロントガラスに霜がつかないための事前対策

まず一番簡単にできる対策は、フロントガラスを東に向けて駐車すること。朝日がフロントガラスに当たることで表面温度が上がり、霜が降りにくくなります。

サンシェードを付けた車のフロントガラスの写真

フロントガラス全体を市販のフロントガラスカバーや凍結防止カバーで覆いましょう。そうすることでフロントガラスは外気に触れず、霜対策となります。取り付けは簡単、繰り返し使うことができる気軽さも魅力です。日差しの強い夏にはサンシェードとして使用することも可能です。カー用品店などで簡単に購入でき、金額も1,000円から2,000円程度とリーズナブルに購入できます。

フロントガラスの汚れを落として撥水(はっすい)加工をする方法もあります。空気中の水蒸気はわずかな埃(ほこり)や油分に集まって結晶化します。フロントガラスの汚れをしっかりと落として撥水加工すると、結晶化するために必要な汚れも油分もなくなります。こまめにコーティングすることで水を弾き、霜に悩まされる心配もなくなるのでおすすめです。

また、フロントガラスに酢をスプレーするのも有効です。希釈せず使用すると濃すぎるので、酢3に水1の割合で混ぜておきましょう。水の凝固点が0°なのに対して、酢の凝固点は-10°。さらに、糖分などの酢に含まれている成分がフロントガラスに膜を張ってくれるので、霜が降りにくくなります。

4. フロントガラスの霜を除去する方法

対策してもフロントガラスに霜が降りてしまう場合もあります。どうすればよいか、霜を除去する方法を順番に見ていきましょう。

スクレイパーを使ってフロントガラスの霜を削り落としている写真

一番簡単なのは、車の暖房で霜を溶かす方法です。暖房を扇のようなマークのデフロスターと呼ばれるモードに設定することで、暖房の風がフロントガラスに向かって吹き出します。温度設定を高くし、風量を最強にしましょう。時間のかかる場合があるのは難点ですが、道具が要らないというメリットがあります。

スクレイパーと呼ばれるヘラを使って霜を削り落とす方法も効果的です。使い方は簡単で、短時間で霜を除去することが可能です。カー用品店で安価で手に入れることができ、1本持っていると便利です。スクレイパーはプラスチック製が多く、力を強く入れすぎるとフロントガラスに傷がつく場合がありますので注意しましょう。

また、解氷スプレーでも霜を除去することができます。フロントガラスにスプレーするだけで簡単に霜が溶け、急いでいるときには最適です。霜が降りる前にスプレーしておけば予防にもなるという優れものです。主成分はエタノールなので危険性はありませんが、長期的な繰り返しの使用でワイパーゴムなどの部品を劣化させてしまう可能性も。カー用品店やホームセンターで簡単に手に入りますが、使い切りの消耗品なため割高感があります。

5. フロントガラスの霜対策まとめ

フロントガラスの霜対策についてご紹介しましたがいかかでしたか?

フロントガラスに霜が付着している写真

東向きに車を停めるという簡単なものから、カー用品店でフロントガラスカバーを購入するという方法、フロントガラスを徹底的にきれいにして撥水加工をする方法、さらには酢を使用するという珍しい方法までご紹介しました。

降りてしまった霜については、それほどひどくないものであれば、暖房をデフロスターに設定するのが簡単でおすすめです。霜がひどい場合や時間がないときは、スクレイパーや解氷スプレーを使用する方法がいいでしょう。

それほど寒い地域にお住まいでなければ、車を停める向きに注意しながらデフロスターで対応可能だと思います。雪国などの寒い地域にお住まいの方なら、フロントガラスカバーとスクレイパーを、カー用品店で購入しておいたほうがいいかもしれません。

どれも安価で手に入るうえに、一度購入すると繰り返し使用できるので、持っていると便利です。金銭的に余裕があれば、撥水加工のコーティング剤や解氷スプレーも用意しておくと安心でしょう。忙しい朝に霜に煩わされず、すぐに車に乗って出発できるよう、普段から備えておきたいですね。

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