窓の遮熱対策はどれが効果的?手軽な方法とプロに依頼する方法の選び方
公開日:2026.10.23
「窓から入る日差しで部屋が暑く、エアコンをつけてもなかなか涼しくならない」
「遮熱シートやカーテンで十分なのか、窓ガラスの交換まで考えるべきなのか判断がつかない」
と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
窓の遮熱対策は、方法によって効果や費用、注意点が異なります。仕組みを知らないまま選ぶと、期待した効果が得られなかったり、ガラスの種類によっては熱割れなどのトラブルにつながったりする可能性もあるでしょう。
この記事では、窓から熱が入る仕組みや遮熱と断熱の違いをはじめ、自分でできる対策と専門事業者に依頼する対策の効果・費用相場、使える補助金制度まで分かりやすく紹介します。
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窓の遮熱対策が必要な理由
室内の暑さをやわらげるには、窓まわりの対策が欠かせません。資源エネルギー庁によると、夏の冷房時に室外から入る熱の約7割は、窓などの開口部からとされています※。
窓ガラスは壁に比べて薄く、直射日光が室内に入りやすい部位です。特に、西日が当たる窓や大きな掃き出し窓では日射熱で室温が上がりやすく、冷房の効きが悪いと感じる原因にもなりがちです。
適切な遮熱対策を行うことで、室内の暑さをやわらげ、快適に過ごしやすい環境づくりにつながります。
ただし、遮熱対策の効果は窓の方角や大きさ、ガラスの種類、住まいの断熱性能によって異なるため、自宅の窓の状況に合わせて対策を選ぶことが大切です。
※参照元:資源エネルギー庁
遮熱と断熱の違い
遮熱と断熱は似た言葉ですが、防ぎたい熱の種類や効果を感じやすい季節が異なります。
遮熱は、太陽の日射熱を室内に入りにくくする考え方です。一方の断熱は、室内と室外の間で熱が伝わりにくくすることを指します。断熱性を高めると、夏は室内に暑さが伝わるのを抑え、冬は室内の暖かさを保ちやすくなります。
直射日光はそれほど当たらないのに夏も冬も窓際が不快な場合は、遮熱よりも断熱対策のほうが向いていることもあります。また、遮熱と断熱の両方の性能を備えたガラスに差し替えることも選択肢の一つです。「夏の暑さだけを解消したい」のか「一年を通して快適にしたい」のかを整理しておくと、対策を選びやすくなるでしょう。
窓の遮熱対策の選び方【セルフ対策と専門事業者どっち?】
※専門事業者に依頼する場合の費用は、窓のサイズやガラスの種類などによって変動する可能性があります
窓の遮熱対策は、大きく「自分でできる対策」と「専門事業者に依頼する対策」に分かれます。
手軽に対策したい場合は、費用をかけず取り組める方法から試すのがおすすめです。セルフ対策をしても暑さが改善しない場合や、冬の寒さ・結露もあわせて解消したい場合は、専門事業者への相談を検討するとよいでしょう。
賃貸住宅やマンションでは、窓ガラスの交換など建物に手を加える対策に制限があるため、事前に管理会社や管理組合へ確認しておくと安心です。
自分でできる窓の遮熱対策5選
窓の遮熱対策には、以下のように自分で取り組める方法もあります。
いずれも比較的取り入れやすい方法ですが、部屋が暗くなる、ガラスの種類によっては使えないなど、方法ごとに注意点があります。効果とあわせて一つずつ確認していきましょう。
雨戸・シャッターを日中に閉める
雨戸やシャッターが付いている窓なら、日中に閉めておくだけで日差しを窓の外側で遮れます。追加の費用がかからないため、最初に試したい方法ともいえるでしょう。
特に外出中や西日が強くなる時間帯に閉めておくと、帰宅時の室温上昇を抑えやすくなります。
ただし、閉めている間は室内が暗くなり、風も通りにくくなります。在宅中は照明が必要になるほか、毎日の開け閉めが負担に感じる場合もあるため、時間帯を決めて使い分けるのがおすすめです。
遮熱カーテンに替える
今使っているカーテンを遮熱カーテンに替えるのも、手軽に始められる方法です。遮熱カーテンは特殊な加工などによって太陽の熱を反射・吸収し、室温の上昇を抑える働きが期待できます。
遮熱機能付きのカーテンはニトリなどの量販店でも販売されており、カーテンレールに取り付けるだけなので、比較的導入しやすい方法ともいえるでしょう。
ただし、通常のカーテンより生地の密度が高いため部屋が暗く感じられたり、見た目が重たい印象になったりすることがあります。また、窓との間に隙間があると熱が入り込みやすいため、窓のサイズに合った幅と丈を選ぶことが大切です。
明るい色の生地を選ぶ、遮熱レースと組み合わせるといった工夫も取り入れてみましょう。
窓にすだれを掛ける
すだれは、日差しを遮りながら風を通せる昔ながらの遮熱アイテムで、窓まわりの印象もやわらかくなります。室内側に吊るすよりも、窓の外側に掛けたほうが、すだれが吸収した熱を室内に持ち込みにくく効果的とされています。軒下のフックや、サッシに差し込んで固定する「すだれ掛け」用の金具を使うと取り付けやすいでしょう。
ただし、屋外に設置する場合は、強風であおられないよう下部もひもや結束バンドで固定し、台風の前には取り外しておきましょう。
雨や紫外線で傷みやすいため、色あせやささくれが目立ってきたら交換を検討するのがおすすめです。
外にサンシェードを取り付ける
サンシェードは、窓の外側に日よけを張って日射を遮る方法です。広い範囲を覆えるため、大きな掃き出し窓やベランダの日よけに向いています。
取り付け方法は、製品の取扱説明書に従い、固定する場所の強度や使用できる金具を確認しましょう。賃貸住宅やマンションでは取り付けに制限がある場合もあるため、事前に管理会社や管理組合へ確認することが大切です。
なお、強風や台風の際はサンシェードを取り外し、落下や風でばたつく音で近隣に迷惑をかけないよう配慮が必要です。2階以上の窓で脚立を使う作業は転落の危険があるため、専門事業者に依頼することをおすすめします。
窓ガラスに遮熱シート(遮熱フィルム)を貼る
ガラス面に遮熱シートを貼ると、日射熱の一部を反射・吸収して室内への侵入を抑えやすくなります。遮熱シートの貼り方は、ガラスの汚れを落とし、スキージー(ヘラ)などを使って気泡を抜きながら仕上げるのが一般的です。ただし、貼り方や必要な道具は製品によって異なるため、必ず取扱説明書に従って施工しましょう。
ただし、遮熱シートはガラスの種類によって貼れる製品が限られ、選び方を誤ると「熱割れ」が起こるおそれがあります。熱割れとは、日射でガラスの一部だけが熱くなり、温度差によってひびが入る現象です。
ガラスの種類が分からない場合や製品の選び方に迷う場合は、自己判断せず専門事業者に相談するようにしましょう。
専門事業者に依頼する窓の遮熱対策2選と費用相場
セルフ対策で暑さが改善しない場合や、冬の寒さ・結露もあわせて解消したい場合は、専門事業者による窓のリフォームが選択肢になります。主な方法は以下の2つです。
どちらの工事も、選ぶガラスのグレードや窓の大きさによって金額に差が出るため、現地調査のうえで見積もりを取ることが大切です。それぞれの特徴を見ていきましょう。
遮熱タイプの窓ガラスに交換する
窓の遮熱性能を高める方法には、既存のサッシはそのままでガラスだけを遮熱タイプに交換する方法と、既存の窓枠の上から新しい窓枠と窓を取り付けるカバー工法があります。
ガラスのみの交換は、今のサッシはそのままにガラス部分だけを取り替えるため、手軽に窓の性能を高められます。サッシごと交換するカバー工法は、サッシの断熱性もまとめて改善したい場合におすすめの方法です。
遮熱タイプのガラスとして代表的なのが、Low-E複層ガラスです。たとえば、YKK APの「Low-E複層ガラス 日射遮蔽型(遮熱タイプ)」は、Low-Eと呼ばれる特殊な金属膜をコーティングしており、日射熱を抑えながら断熱性も高める効果が期待できるでしょう。
単板ガラスから複層ガラスに替える場合は、既存サッシの溝に合わせたアタッチメント付きの製品が必要になることがあります。
なお、遮熱タイプは冬の日射熱も取り込みにくくなります。冬の日当たりを生かしたい南側の窓では、断熱タイプ(日射取得型)が向くケースもあるため、窓の方角に合わせて専門事業者に相談するとよいでしょう。
内窓(二重窓)を設置する
内窓は、今ある窓の室内側にもう1つ窓を取り付ける方法です。既存の窓との間にできる空気層が熱の出入りを抑えるため、夏の暑さだけでなく冬の寒さや結露の軽減にも役立ちます。工事は1か所あたり1時間程度で終わることが多く、比較的短時間で設置できる点も魅力です。
夏の遮熱効果を重視するなら、内窓のガラスに遮熱タイプのLow-E複層ガラスを選ぶのがポイントです。
ただし、窓枠の奥行きが足りない場合は「ふかし枠」という部材が必要になり、追加費用がかかる点に注意が必要です。また、窓が2枚になる分、開け閉めの際に2つの窓を操作する必要があり、掃除の手間も増える点に注意しましょう。
関連記事:二重窓(内窓)リフォームの効果は?後悔しやすい点や費用相場・補助金を解説
窓の遮熱リフォームで使える補助金制度
窓ガラスの交換や内窓の設置は、断熱性能を高める工事として国の補助金の対象になる場合があります。ただし、いずれも断熱改修を支援する制度のため、遮熱目的の工事であっても各制度の性能要件を満たす対象製品を使うことが前提です。
国の補助金制度には以下のようなものが存在します。
※2026年10月時点の情報です
「先進的窓リノベ2026事業」と「みらいエコ住宅2026事業」の申請は、住宅の所有者ではなく、各補助金に登録した「登録事業者」が行います。そのため、専門事業者に依頼する場合は「登録事業者」を選ぶ必要があります。
また、制度によっては工事の着手時期や契約時期に条件があるため、契約前に対象となるか確認しておくことが重要です。同じ窓に対して複数の国の補助金を重複して受け取ることはできない点にも注意しましょう。
さらに、都道府県や市区町村が独自の補助金を設けている場合もあるため、以下などの方法で探してみましょう。
自治体の制度は国の補助金と併用できるものもあれば、できないものもあります。申請の順番も制度ごとに異なるため、募集要項をよく確認しましょう。
関連記事:窓リフォーム補助金の対象条件は?国・自治体の制度と申請方法を解説【2026年】
専門事業者を選ぶ際の3つのポイント
窓ガラスの交換や内窓の設置は、専門事業者の経験や対応範囲によって仕上がりや費用、補助金の活用しやすさが変わります。依頼先を選ぶ際は、以下の3つを確認しましょう。
- 窓ガラス交換・内窓設置の施工実績が豊富か
- 現地調査のうえで無料見積もりをしてくれるか
- 利用したい補助金制度の申請に対応しているか
それぞれのポイントを見ていきます。
窓ガラス交換・内窓設置の施工実績が豊富か
窓ガラスの交換や内窓の設置は、正確な採寸と既存サッシの状態の見極めが仕上がりを左右する工事です。不十分な工事では、性能を発揮しきれないといったトラブルが起こる場合もあります。
施工実績が豊富な専門事業者であれば、これまでの経験をもとに窓の方角やガラスの種類に合った遮熱・断熱対策を提案してもらえる可能性が高くなります。
公式HPの施工事例や口コミを確認し、自宅と似た窓の工事を手がけているかどうかを見ておくと判断材料になるでしょう。
現地調査のうえで無料見積もりをしてくれるか
窓は、サイズや窓枠の奥行き、サッシの溝の幅などがさまざまです。電話や写真だけの概算見積もりでは、工事当日にふかし枠などの部材が必要と判明し、追加費用が発生することもあるでしょう。
正確な費用を把握するために、現地調査をしたうえで見積もりを出してくれる専門事業者を選びましょう。無料で現地調査に対応しているかどうかも、事前に確認しておくと安心です。
見積書を受け取ったら、ガラス代・工事費・既存ガラスの処分費・出張費などの内訳が明記されているかを確認しましょう。複数の専門事業者から見積もりを取って比較すると、費用の相場を把握しやすくなります。
利用したい補助金制度の申請に対応しているか
利用したい補助金制度がある場合は、その制度の登録事業者であるか、申請手続きのサポートをしているかどうかなどを事前に確認しておきましょう。
補助金制度は、制度によって申請者や申請方法が異なります。「先進的窓リノベ2026事業」や「みらいエコ住宅2026事業」は、事務局に登録された専門事業者が申請手続きを行う仕組みのため、登録事業者に工事を依頼することが前提です。
一方、「既存住宅の断熱リフォーム支援事業」のように住宅所有者などが申請者となる制度もあり、その場合も専門事業者に必要な書類を用意してもらう必要があります。
そのため、補助金の利用を検討している場合は、申請条件や手続きの流れを把握し、必要な対応を受けられる専門事業者を選びましょう。
窓の遮熱対策に関するよくある質問
最後に、窓の遮熱対策を検討する際に気になりやすい疑問をまとめました。
- Q.100均やニトリの遮熱シートでも効果はある?
- Q.マンションや賃貸アパートで窓ガラスの暑さ対策をする方法は?
- Q.窓ガラスに断熱シートを貼ったときに期待できる効果・デメリットは?
手軽な対策を選ぶ前に疑問を解消しておくと、購入後や施工後の「思っていたのと違った」を防ぎやすくなります。気になる項目を確認してみてください。
Q.100均やニトリの遮熱シートでも効果はある?
日差しが強く当たる窓であれば、100均やニトリの遮熱シートでも一定の効果は期待できる可能性があります。
ただし、商品によって用途や使用できる窓の種類、サイズが異なるため、自宅の窓に使用できるかを確認して選ぶことが大切です。
また、窓の一部にしか貼らなかったり、シートとサッシの間に隙間が大きく残ったりすると、効果を感じにくくなります。効果に満足できなければ、遮熱カーテンや外側の日よけと組み合わせる方法もあります。
Q.マンションや賃貸アパートで窓ガラスの暑さ対策をする方法は?
賃貸アパートの場合は、まず大家さんや管理会社に相談しましょう。また、国土交通省のマンション標準管理規約では、窓枠や窓ガラスは専有部分に含まれないものとされているため、マンションでも個人の判断で窓ガラスを交換できないケースがあります※。
マンションや賃貸アパートでは、原状回復しやすい遮熱カーテンや、貼ってはがせる吸着タイプの遮熱シートから試すのがおすすめです。
ベランダにすだれやサンシェードを設置する場合は、避難経路や隣戸との仕切り板の前をふさがないよう注意しましょう。
※参照元:国土交通省
関連記事:マンションの窓のリフォームがしたい!確認しておくべき諸条件
Q.窓ガラスに断熱シートを貼ったときに期待できる効果・デメリットは?
断熱シートは、熱の移動をやわらげる目的があるため、冬の窓際の冷え込みや結露の軽減が期待できます。夏も冷房で冷えた室内の空気を逃がしにくくする効果はありますが、日射熱を防ぐ効果は遮熱シートほど高くない製品もあるため、夏の暑さ対策が目的なら遮熱タイプを選ぶのがおすすめです。
デメリットとしては、気泡緩衝材(プチプチ)のような製品だと外の景色が見えにくくなることや、はがしたあとに跡が残る場合があることが挙げられます。また、遮熱シートと同様にガラスの種類によっては熱割れのリスクもあるため、不安がある場合は自己判断せず専門事業者に相談することが大切です。
窓の遮熱対策に迷ったら専門事業者へ相談しよう
夏に室内へ入る熱の多くは窓からとされ、窓の外側で日射を遮る対策ほど効果が出やすいとされています。雨戸やカーテン、すだれなど手軽に取り入れられる方法もありますが、室内が暗くなったり、ガラスの種類によっては使用できなかったりする場合もあります。暑さが改善しない場合や、冬の寒さ・結露も気になる場合は、遮熱ガラスへの交換や内窓の設置も選択肢になるでしょう。
ガラス交換や内窓設置で後悔しないためには、窓の方角やガラスの種類を踏まえて、自宅に合った方法を専門事業者に提案してもらうことが大切です。
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