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畳の芯材の種類を紹介します

公開日:2021.11.29 更新日:2024.4.10
畳の芯材の種類を紹介します

畳の芯材にはいろいろな物が使用されていますので個別に紹介します。この説明を理解してもらうには畳の構造から説明しなくてはいけません。

一般的に畳というのは一番下に滑り止めが貼られており、そこから順に裏下紙、芯材、クッション材、畳表と重ねられています。この中でも特に重要なのが核となる芯材です。昔は稲藁を束ねたものが芯材として用いられていたのですが、現在では通気性や耐久性に優れたボードが多く使用されています。

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畳の芯材ってなに?

芯材とは畳の強度や使用年数にも影響する重要な構成パーツです!!

建材床が使われた畳の写真

畳の新調を考えられている方や住宅を購入しようとしている方で、畳表の材質を気になさる方がいらっしゃいます。

イ草や樹脂、和紙など肌触りなどで悩まれることでしょう。また形状も従来のものから近年流行している琉球畳などさまざまな種類が存在します。しかし畳選びにおいて最も重要なことは芯材がなにか、ということです。

畳の芯材には大きく分けて、古くからあるワラ床や近年国内生産の9割で用いられている建材床、サンドイッチ床の3種類が存在します。

それぞれに特徴やメリット・デメリットがありますが、全てに共通しているのは、芯材が朽ちると畳としての役目を果たせなくなるということです。

いくら表替えをおこなっても芯材が腐食していたら畳として使用することは出来ません。それだけ重要なパーツだけに日々研究が重ねられ、高機能な新商品が登場しています。

昔の芯材は湿気が溜まりやすく、ダニの繁殖場所になっていましたが、現在では木の繊維を機械によって圧縮させたボードが使用されていますので、繁殖の心配はありません。また、床暖房に対応した芯材も開発・販売されています。畳を購入する際は、表の材質やサイズだけでなく、芯材に何が使用されているのか確認することが大切です。

ワラ床ってなに?

ワラ床とは収穫後の稲を使用して作られた畳床で古くから存在します

藁の塊の写真

西暦1570年頃には町人にも普及していたと言われる畳。その畳床として使われていたのが藁です。

米を収穫した後に残った藁を束ねて圧縮し芯材としていました。具体的には40㎝くらいに重ねた藁を5㎝になるまで押さえつけて使用していたようです。

藁と聞くと脆い印象がありますが、かなりの本数を使用していますので、見た目も強度も板とさほど変わりません。内部に適度な空間も出来ていますので保湿性には定評があり、多くの神社仏閣でも用いられています。

また、耐久性もありますから、1673年と記された畳が国宝『大徳寺』で現存しています。保存状態が良いとは言え340年以上使われているのはすごいことですね。

しかしこのワラ床、現在では国内生産のわずか2%程度しかありません。ここ30~40年でワラ床の原料となる稲の生産量や生産者が減少したことに伴い、価格が上昇し高給な素材になってしまいました。今でも使用されている方はこだわりの強い方か、比較的財力がある重要文化財以上の神社仏閣です。畳自体がそうですが、中でもワラ床は日本の気候に適したもですから、可能であればもっと普及すべきだと考えます。ワラ床とイ草の畳表の組み合わせはボードにはない優しさがあります。

ワラサンドイッチ床ってなに?

ワラサンドイッチ床とは中心部分にポリスチレンフォーム板を使っている畳床です

ワラサンドイッチ床の畳の写真

この芯材はワラ床の代わりとして使用されています。前項でも紹介した通り、ワラ床は生産量の減少に伴い非常に高額になっていますので、希望しない限り一般家庭で使用されることはまずありません。

そこで登場したのがワラサンドイッチ床です。層の中間にポリスチレンフォームやファイバーボードを挟むことにより、ワラの使用量を減らし低価格&低重量を実現しています。

さらにワラ床と比較してダニの繁殖を抑える効果があります。表面にはワラを使用していますので、優しい踏み心地も実現させています。

現在では建材床にシェアの殆どを奪われていますが、ワラ床を希望されている方の妥協枠として一定の需要があります。

一口にワラサンドイッチ床と言っても等級によって分類されています。特級、一級、二級、三級の4種類なのですが、等級が高いほど価格が高く設定されています。もちろん耐用年数や仕上がりも特級が一番です。

ただしひとつだけ気をつけて頂きたいのが、同じ特級でも職人によって違うことがあるという点です。建材床は機械で生産されていますので同一品質なのですが、ワラ床やワラサンドイッチ床は人の手が加わりますので、どうしても手癖や差が出てしまいます。

建材床ってなに?

建材床とはワラを使用していない芯材で最も多くの住宅で使われています

様々な種類の素材の写真

現在建てられているマンションや戸建て住宅、アパートにある畳の約9割がこの芯材を使用しています。

木片を圧縮させたボードの中間に、緩衝材の役割を果たす発泡スチロールを挟み込んでいる構造です。機械で大量生産されていますので、品質にムラがなくコストも低いのが特徴です。

そのため発売から短期間で一気に日本の住宅に普及しました。ワラ床に比べて硬いなどのデメリットはあるのですが、建築コストを抑えなくてはいけない現在の業界にとっては打ってつけの芯材と言えます。

建材床は使用している素材や構成によりⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型に分類されており、それぞれに違った特徴やメリット、デメリットが存在しますが、よほどの畳通でない限り芯材や型の違いに気付くことは無いでしょう。

ですので、分譲マンションや建売住宅を購入する時は畳の芯材(畳床)について聞いてみることをおすすめします。特にお年を召された方や膝がお悪い方にとってはワラ床か建材床かで負担が変わってきますので、購入前の確認事項としてはかなり重要なことです。建材床がワラ床と比較して硬いことは先ほど紹介しましたが、それでもフローリングと比べたら建材床のほうが全然身体にとって優しい作りとなっています。

畳の芯材まとめ

畳の芯材(畳床)に関するさまざまな情報のまとめとポイントのおさらい

ワラ床が使われた畳の写真

今まで見たことがない方、意識していない方が多いであろう畳の芯材について紹介してきました。

畳の芯材は大きく分けてワラ床、サンドイッチ床、建材床があります。それぞれに特徴や使用に適した場所、メリット、デメリットがあります。

冒頭でも紹介した通り、畳というと表面の素材ばかりに目が行きますが、一番大切なのは芯材(畳床)です。できれば自分で感触を確かめてもらってお好きなものを選んで下さい。

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